
「ユビキタス」とは、いつでもどこにでもあたりまえのようにある状態を指します。
ラテン語の「Ubique」(あらゆるところで)を語源とし、元々は「神が、時間や空間を超越して遍在(あらゆるところに存在)すること」をさす概念です。
現在では、「いつでも、どこでも、だれでも」というニュアンスを込めて、コンピューターやITネットワークが生活環境のあらゆるところに組み込まれて利用される環境を指して使用されています。
いろいろな分野に関係するため、「ユビキタスコンピューティング」、「ユビキタスネットワーク」、「ユビキタス社会」のように他の言葉と組み合わせて使われることが多くなっています。
現在の意味で最初にこの言葉を使用したのは、米ゼロックス パロアルト研究所のマーク・ワイザーで1988年のことです。PC(パーソナルコンピューター)に続く、第三世代のコンピューター利用形態―時間や場所の制約を超えてコンピューターにアクセスできる環境―として「ユビキタス・コンピューティング」という概念を提唱しました。ユーザーが意識して操作しなくても、身の回りのものに埋め込まれたコンピューターチップとコンピューター・ネットワークが自律的に、あるいはユーザーの状態を把握して動作するといった利用環境も、このとき想定されていました。
日本では、ICT(情報通信技術)の応用を進め「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」ネットワークで繋がっている「ユビキタスネット社会」の実現に向けて、2010年に向けてu-Japan政策がとられています。
ユビキタスネット社会において、人と人、人と物、物と物がITネットワークを介した情報通信が常に行われているということは、商品・サービスの提供者にとっても重要です。一例として、カーナビゲーションシステムやGPS携帯などで位置情報が常に把握できることで、利用者がその時にその場所で必要となるような最適な情報を、積極的に提供する、といったことも可能になっています。つまり、ユビキタスネットワークを介して得られる消費者情報を活用し、より優位な商品・サービスの開発へと結びつけることが可能です。
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