
ファブレス(fabless)とは、fab(fabrication facility、工場)を持たない会社のことを意味し、自社で生産設備を所有せずに製造業としての活動を行う企業およびビジネスモデルを指します。
製品の設計やマーケティング、販売などの機能に特化し、生産を外部の工場に委託することにより、設備投資や設備維持の負担とリスクを保有することなく、タイムリーに製品を生産できます。また、販売なども外部に委託し、設計のみを行う企業など、さらに機能が特化した企業もあります。
ファブレスとは逆に、他社からの委託による生産を専門に手がけるメーカーがあります。とくに半導体メーカーやファブレスからの委託を受けて半導体チップの製造を行う、生産専門の企業をファウンドリと言います。こうしたメーカーは製造技術の水準も高く、多くの企業の製品をまとめて生産するためコストも低く抑えることができます。このため、自社で工場を用意するよりも高度な技術を用いて生産することができ、このメリットを活用している大手企業も多くなっています。
ファブレスとファウンドリの棲み分けが主流となっているのが半導体業界です。従来は設計・開発から製造まで一貫して同一企業内で行うことが多かったのですが、莫大な設備投資が必要であり、減価償却期間が短いなどの事業特性からファブレス業態に転換する企業が増えています。
2013年2月に、システムLSI事業で設計・開発を手がける新会社設立を発表した富士通とパナソニックのケースもこれに当たり、マーケティング・設計・開発機能に特化(ファブレス化)すると共に、両社の先端技術や顧客基盤を集約してグローバルに競争力のある事業体制を構築することで、グローバル市場での競争力アップを目指します。
おすすめ新着記事

盤石「カップヌードル」、「きつね」と「どん兵衛」和風麺は激戦区
2019年度のカップめんの生産量は、ほぼ横ばいの39億7,021万食となった。今回の調査でも前回同様、「カップヌードル」が盤石の強さを見せつけた。2位以下では「赤いきつね/緑のたぬき」と「どん兵衛」が僅差でしのぎを削っている。コロナ禍の巣ごもり消費でカップめんの需要は伸びているが、拡大した市場で今後どのようなヒット商品が生まれるかに注目だ。

運動習慣のある人は内側もケアしてる!?ニーズ高まる保健機能食品
トクホや機能性表示食品などの保健機能食品が注目を集めている。コロナ禍で健康志向が高まっているためだ。今回は、保健機能食品がどのように利用されているのか、またウォーキングやエクササイズなどの運動との関連について調査を行った。

強いカルビー「ポテトチップス」、リピート意向上位に新顔、PBも
2019年のスナック菓子市場は小売金額ベースで前年比2.6%増と、堅調な動きを続けている。今春の緊急事態宣言などで在宅時間が増加した際、スナック菓子の需要は大幅に伸びた。人気の中心は定番商品だったが、需要が拡大するなかでコストパフォーマンスに優れたPBや、健康志向を背景にしたギルティフリーを訴求したブランドのリピート意向の高まりもみられる。



