ファブレス(fabless)とは、fab(fabrication facility、工場)を持たない会社のことを意味し、自社で生産設備を所有せずに製造業としての活動を行う企業およびビジネスモデルを指します。
製品の設計やマーケティング、販売などの機能に特化し、生産を外部の工場に委託することにより、設備投資や設備維持の負担とリスクを保有することなく、タイムリーに製品を生産できます。また、販売なども外部に委託し、設計のみを行う企業など、さらに機能が特化した企業もあります。
ファブレスとは逆に、他社からの委託による生産を専門に手がけるメーカーがあります。とくに半導体メーカーやファブレスからの委託を受けて半導体チップの製造を行う、生産専門の企業をファウンドリと言います。こうしたメーカーは製造技術の水準も高く、多くの企業の製品をまとめて生産するためコストも低く抑えることができます。このため、自社で工場を用意するよりも高度な技術を用いて生産することができ、このメリットを活用している大手企業も多くなっています。
ファブレスとファウンドリの棲み分けが主流となっているのが半導体業界です。従来は設計・開発から製造まで一貫して同一企業内で行うことが多かったのですが、莫大な設備投資が必要であり、減価償却期間が短いなどの事業特性からファブレス業態に転換する企業が増えています。
2013年2月に、システムLSI事業で設計・開発を手がける新会社設立を発表した富士通とパナソニックのケースもこれに当たり、マーケティング・設計・開発機能に特化(ファブレス化)すると共に、両社の先端技術や顧客基盤を集約してグローバルに競争力のある事業体制を構築することで、グローバル市場での競争力アップを目指します。
おすすめ新着記事
消費者調査データ 茶飲料(2024年9月版) 抜群の強さ「お~いお茶」、大手3ブランドが熾烈な2位争い
2年連続のプラスとなった茶飲料市場の調査結果をみると、トップブランドの「お~いお茶」が全項目で首位、大手飲料メーカーの緑茶ブランド3点が熾烈な2位争いを繰り広げている。一方、再購入意向のランキングでは、麦茶ブランドが上位に入った。
成長市場を探せ コロナ禍の落ち込みから回復、3年連続プラスのゼリー飲料(2024年)
ゼリー飲料が伸びている。2020年はコロナ禍で前年の三分の二ほどまで落ち込んだものの、翌21年は早くもプラスとなり回復の動きをみせ、3年連続でプラスとなった。
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 急伸するPB化 高まるPB品質評価とNBの割高感
近年、食品NB(ナショナルブランド)が相次いで値上げしているなかで、PBの位置づけが大きく変わっている。PBの購入状況やPBの選択にどのような変化が起こっているのかの調査をまとめた。