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CSを考えるキーワードとして「真実の瞬間」があります。お客様の満足を決定するのは、お客様と第一線で働く社員との接点であるという考え方です。たとえば、お客様が担当者に良い印象を持てばお客様の満足度は高まり、悪い印象を持てば不満が形成され、会社全体に対しても悪い印象を持たれてしまいます。
これは、直接の担当者だけでなく、受付や電話での応対をした社員も含まれます。お客様が最初に企業に接した瞬間から、アフターサービスも含めてお客様と企業との関係が途切れるまでのすべての瞬間が「真実の瞬間」であり、毎日、何千何万回も起こっていることです。
真実の瞬間を構成するお客様との接点は、人による対応がすべてではありません。製品そのものや店舗・事務所、サービス体制など様々なものが含まれています。
CSの構成要因を考える場合、
- 提供する製品そのもの
- 提供する人
- 提供する仕組み
という三つの視点を常に考えなければなりません。但し、それらがどの程度の重要性を持つのかは、すべて同じではなく業種やお客様によって異なってきます。
これらの要因は、さらに本質的要素と表層的要素に分けられます。本質的要素は、お客様のクレームに対し素早く対応するとか商品の基本的性能のような、それが満たされなければ満足に繋がらないという「必要条件」です。
一方、表層的要素は笑顔の応対とか、無料サービスのように、本質的要素を満たしたうえでなお追加的に提供されれば満足が増幅される「十分条件」です。顧客満足の前提は本質的要素で、表層的要素は付帯的なものですが、本質的要素の部分で優位さが無くなっている状態にあるとすれば、競争の焦点は、表層的的要素に移ります。
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