
ランチェスターの法則から導き出された戦略には、以下の三つのポイントがあります。
- ナンバーワン主義:強者のみが安定した地位を得られるという考え方
- 弱者・弱点優先攻撃:弱者が強者と戦う際に、争うプレーヤー数が3以上の場合、自身より下位のものを攻撃する、または相手の弱点を攻撃することを優先させ、最終目標の強者撃墜に近づくという考え方。弱いものいじめの原則
- 一点集中主義:弱者の戦略の基本、攻撃目標を達成するまで攻撃を続けることを意味する
弱者の戦略の基本は、差別化戦略です。具体的な戦略としては、
- 局地戦:スキマ市場やニッチ市場に競争の場を特化し、トップ企業と戦う
- 一騎打ち:資源を集中し、トップ企業と戦う
- 接近戦:強者に先んじて、顧客ニーズの把握や顧客へのコミュニケーション強化を図り、戦略の確度(商品のヒット率)を上げる
- 一点集中:攻撃目標をひとつに絞り、強者の弱点を重点的に攻める
- 陽動作戦:従来のパターン以外の展開を測り、強者を出し抜く
強者の戦略の基本は、ミート(追随)戦略です。つまり、弱者が取る差別化戦略に対して、その差別化のポイントに追随して、弱者の競争優位性をなくすという戦略です。具体的な戦略は、
- 広域戦:弱者の局地戦に対応
- 確率戦:弱者の一騎打ちに対応
- 遠隔戦:弱者の接近戦に対応
- 総合戦:弱者の一点集中に対応
- 誘導作戦:弱者の陽動作戦に対応
の五つです。
1950年代のアメリカでは、ペプシが強者であるコカコーラと競合しない、カップベンダーによる販売と、スーパーマーケットでのファミリーサイズ販売により、シェアを大きく伸ばしていきました。この戦略は、まさに弱者の戦略の典型例として捉えることができます。
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