アップルの2019年9月期の連結決算は売上高2,601億ドル(前年比2.0%減)、営業利益639億ドル(同9.8%減)と、減収減益となった。セグメント別にみると、「iPhone」の売上が前年比14.6%減、売上高構成比も62.8%から54.7%に低下。サービス収益は同24.5%の伸長となった。地域別では、アメリカ・アジアパシフィックで増加し、中華圏・ヨーロッパ・日本で減少している。過去10年にわたって成長の原動力であり続けてきた中国のスマートフォン市場は飽和状態になっている。さらに、中国政府による高関税賦課、中国・韓国メーカーの低価格高機能製品による追い上げも激化したため、売上・利益率とも低下した。そのため、「手首・耳・眼」を制覇するウェアラブルガジェットとオンラインサービスの成長に注力していく方針に本格的に戦略を転換。ゲームとプレミアムテレビのサブスクリプションプログラム、Apple Cardと呼ばれる独自のクレジットカードなど、新しいサービスビジネスの売上を拡大。また、Apple WatchやAir Pods(ワイヤレスイヤフォン)などウェアラブル事業はMac事業とほぼ同じ売上規模にまで拡大した。2020年第2四半期までで、iPhoneの収益は前年比7%減少したものの、巣ごもり消費の影響でiCloud、Apple Music、その他サブスクリプション収益は増加している。
参照コンテンツ
- MNEXT 眼のつけどころ 世界情報寡占企業からデータ提供代が貰える日―「グーグル後の生活」と等価交換(2018年)
- MNEXT 眼のつけどころ 高収益な市場プラットフォーム事業をどう創出するか?MSP事業創出作法(2018年)
- MNEXT 眼のつけどころ (1)GAFA、増税、キャッシュレスなどへの対応(2019年)
- 戦略ケース 「iPhone 3G」発売で大転換期を迎える日本の携帯端末市場 (2008年)
- 戦略ケース iPhone発売で、日本の携帯端末市場はどう変わる? (2008年)
- 戦略ケース 北米スマートフォン市場No.1はiPhoneに勝てるか? (2008年)
- 戦略ケース 音楽の次は動画?-アップルの次の一手に高まる期待感 (2005年)
- 戦略ケース ついに来るか?ビデオiPodによるPSP潰し (2005年)
- 戦略ケース SONYが復活する日-みえない資産の融合なるか (2005年)
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事
成長市場を探せ コロナ特需の反動乗り越え成長するパスタソース(2024年)
コロナ特需から3年連続で縮小するレトルト市場にあって、パスタソースは2年連続の成長となった。「あえる・かける」だけで一品となるレトルトパスタソースの簡便性は、時短ニーズにマッチするものとして成長が期待されている。
消費者調査データ 紅茶飲料(2024年10月版) 首位「午後の紅茶」、「紅茶花伝」に水をあける
2023年、数量金額ともにプラスとなった紅茶飲料。調査結果を見ると、キリンの「午後の紅茶」が再購入意向以外の5項目で首位を獲得した。認知率は9割、購入経験も5割を超え、再購入意向では2位以下に10ポイント余の差をつけ、リーディングブランドらしい強さをみせた。
消費者調査データ ミネラルウォーター(2024年9月版) 全項目首位「サントリー 天然水」、リピート意向の高いPB
2023年、2年連続で2桁増を達成したミネラルウォーターについての調査結果をみると、全項目で5ポイント以上の差をつけて「サントリー天然水」が首位に。2位は「い・ろ・は・す天然水」。再購入意向ではベスト10内に5ブランドのPBという結果となった。