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HOME > マーケティングDB > マーケティングFAQ > 【マーケティングFAQ】価格設定の方法

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当社では競合商品の価格や営業の話を参考にして価格を決定することが多く、あまり戦略的とは思えません。そもそも価格設定の方法にはどのようなものがありますか?(日雑メーカー・商品開発、27歳)




 メーカーの行う価格設定方法はつぎの三つをあげることができます。これらの設定方法を基本に、戦略目標、採用するマーケティング施策ミックス、様々なコスト、需要の特性、競争環境などを与件に適切な価格設定を行います。

(1) コスト基準型プライシング

 メーカーのコストを基準に考えるプライシングで、最も基本的なものです。具体的な方法としてつぎのふたつをあげます。
  1. コスト・プラス法
    単位費用に一定水準の利益を加算し、製販価格を設定するものです。
  2. 目標利益法(損益分岐点法)
    損益分岐点分析を応用したコスト基準型のプライシングです。まず、達成したい目標販売数量を決め、その時の総費用(変動費+固定費)を算定します。つぎに、総費用に目標とする利益率を掛け、総費用に加算します。これを目標販売数量で除して、単位当りの価格を算出します。
 これらコスト基準型プライシングは、利益やコストを自社中心に計算している点に注意が必要です。自社都合で損益分岐点をクリアすることを優先させると、費用に対し高い利益率を設定する必要に迫られ、当然ながら設定価格も割高になってしまいます。この結果、販売目標数量を達成できないといったことにもなりかねません。算出された価格を顧客の購買喚起力があるか、競合との競争力があるかという視点から再検討することが大切です。

(2) 競争基準型プライシング

 自社のコストや需要特性よりも、競合との競争面に配慮して価格設定する方法です。つぎの三つの方法があります。
  1. 市場価格追随法
    現在の市場価格を重視し、その価格帯の中で大幅に上下しない価格を設定します。自社の商品が差別化されている場合は、この幅の中で高めの価格設定も可能と考えられます。この方法には主体性や戦略性がないという批判もありますが、実勢価格に基準を置き、面倒なコスト計算や需要の分析をする必要もなく簡便であるという点では良さもあります。
  2. プライス・リーダー追随法
    業界を先導して価格を上下するシェアの高いリーダー企業がある場合に、このリーダー企業の価格に従い価格設定する方法です。一般には、リーダー企業の市場影響力は高く、また価格に関する信頼も形成されているので、あまり格差の大きい価格設定をするのは困難です。価格弾力性の高い市場であれば、戦略的に低めの価格設定をして攻め込むことを検討します。但し、シェアの高いリーダー企業は、販売量も多くコスト対応力もあるので、逆襲を想定する必要があります。これに対抗するためには、商品差別化やコストダウン努力が必要です。
  3. 慣習価格法
    業界による伝統的価格帯がある場合に、それに従って価格設定する方法です。業界の慣習価格が支配的で、消費者にも定着している場合、低価格設定しても販売数量が伸びない傾向があります。むしろ高価格化に向け、品質向上などを通じ商品のイメージを高めるようにするなど、中長期の取り組みを検討します。

(3) マーケティング戦略基準型プライシング

 コスト基準型は自社都合の優先であり、競争基準型は外部基準の優先です。こうした戦略のないプライシングに対し、戦略的に最適価格を確定し、そこから適正マージンを確保すべくコストダウンを図るという発想で行う価格設定をマーケティング戦略基準型プライシングと呼ぶことにします。戦略的な最適価格を設定する基準は、お客様が提供する商品・サービスに対し、すすんで支払ってくれる価格(Willingness to pay:購入意思額)です。
  1. 価格差別化
    お客様の支払意思額に従った価格設定を原則にします。この支払意思額はお客様によって異なるため、同一商品・サービスでも複数の価格設定を行うことが可能になります。航空各社の予約を入れる時期による多様な航空運賃体系やパソコンソフトの学生や教員へのアカデミックパック提供などがその例です。顧客を、商品・サービスへの反応によって、消費者個人を選別する価格差別化の手法です。
  2. プレミアム・プライシング
    同じカテゴリーの商品で、2種類以上の複数価格帯を準備し、価格のプレステージ機能を維持する方法です。価格敏感な層には低価格で、価格に敏感でない層や品質を重視する層には高価格での販売を狙います。高品質のものがプレミアムを獲得するためには当然ながら品質の保証が必要で、「高品質=高価格」を訴求する施策を合わせて準備します。特に、バッグや服飾、アクセサリーなどのいわゆるブランド商品では、消費者側が「価格が高いから良い商品なんだ」と強く思い込んでしまう心理をうまく利用した価格設定の例で、名声価格法(または威光価格法)とも呼ばれます。
 ご質問にもあるように、これまでのプライシングは、コスト基準型や競争基準型が中心でした。こうした価格の決定方法には戦略がなく、本来獲得できるはずの利益や顧客を逸するなどの問題も指摘できます。最適なプライシングはどうあるべきか、もっと戦略的に検討することが大切です。

図表1 プライシングの方法と考え方







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