価格の交差弾力性とは、ある財の価格の変化が他の財の需要量に及ぼす度合いを表します。X財に対するY財の価格の交差弾力性(Es)とは、次式で示されます。
Es=Y財の需要変化率/X財の価格変化率 =(⊿y/y)/(⊿Px/Px)
Px:当初のX財の価格、y:当初のY財の需要量
つまり、X財の価格が変化した場合に、Y財の需要量がどう変化するかを示しているものです。
価格の交差弾力性とは代替効果弾力性として捉えることができます。「代替財が存在しにくい傾向」は、価格の交差弾力性の低さとして理解可能です。価格の交差弾力性が低ければ低いほど、「競合相手による価格切り下げに伴って奪われる需要量が、より小さくて済む」ことを意味します。
価格の交差弾力性が正であればX財とY財は代替材であり、X財の価格が上がるとY財の需要増をもたらす、つまり需要がX財からY財へシフトします。負であればX財とY財は補完財であり、X財の価格が上がるとY財の需要減をもたらす、つまりX財の価格上昇に伴う需要減につられて、Y財の需要も減少します。また、価格の交差弾力性がゼロであれば独立財と呼ばれます。
おすすめ新着記事

消費者調査データ No.397 シャンプー(2023年12月版) 「パンテーン」と「ラックス」、僅差の競り合い
コロナ禍によるインバウンド需要喪失からゆっくり立ち直りつつあるシャンプー市場。調査結果は「パンテーン」が複数項目で首位を獲得したが、2位の「ラックス」との差はごくわずかで競り合いが続いている。国内メーカーでは、独立系の専業メーカーが独自のコンセプトで高いリピート意向を獲得している。

成長市場を探せ 「巣ごもり」後も割安感で堅調な家庭用冷凍食品(2023年)
2022年の家庭用冷凍食品の生産量は、前年比100.8%となる80万5,000トンで、8年連続拡大、過去最高を更新。22年からの食品全般の値上げのなかで、簡便化志向や節約志向から利用が継続されているとみられている。

消費者調査データ レトルトカレー(2023年11月版) 首位は咖喱屋カレー、リピートされる調理対応カレー
コロナ禍以降、家族の食卓への浸透が一層進んだレトルトカレー。調査結果では、咖喱屋カレーがトップを堅持する一方、再購入意向では調理対応カレーやコスパに優れるPBが上位に。家族食としての定着を裏付ける結果となった。



