半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

公開日:2002年08月22日

営業現場の科学
第16回 ワークロードを見直せ!当たり前のことがちゃんとできる営業活動
営業戦略チーム 舩木

 優秀な営業パーソンに高成績を上げる秘訣を聞くと、「私は当たり前のことをやっているだけですよ」と多くの人が答える。成績をみると、毎月コンスタントに売上があがり、期末に集中するようなことはない。逆に成績がよくない人は、忙しくしているのだが、売上はよくない。この差は何か?ヒントは「当たり前のこと」を考えることにある。

 我々営業の当たり前のこととは、得意先との提案や商談時間を最大化し提案件数、商談件数を大きくし、受注数をあげることだ。まずは商談件数を増やすことが第一であり、その次に提案内容を充実させ、受注率を上げることだ。

 今回は、商談件数を増やすためのアプローチとしてワークロード・メソッドという手法を提案したい。標準的な営業活動を事例にみてみたい。

(1)1ヶ月の商談時間はどれくらいあるか

 1日8時間、月間20日とすると、我々の1ヶ月の活動時間は160時間となる。これを商談時間、移動・休憩時間、社内業務時間に分け、商談時間を決める。1日平均3時間とすると、60時間が商談時間となる。

(2)提案・商談件数はどれくらいできそうか

 つぎに1回当たりの商談に必要な時間を決める。1回当たり30分とすると、1日に6件の商談が可能となり、1ヶ月にすると120件となる。当たり前のことをちゃんとやれば、理論的には月120回の提案や商談、得意先と話をする機会がある。

(3)得意先別の商談頻度を決める

 自分の担当する得意先を重要度によってランクづけをし、商談頻度を決める。重要度は第8回で提案した拡販余地などを使って決定する。仮に、つぎのように設定したとしよう。

  • Aランク:商談頻度は月4回(週1回)
  • Bランク: 〃   月3回(10日に1回)
  • Cランク: 〃   月1回

(4)実際に活動できるかどうかのシミュレーション

 Aランク15件、Bランク15件、Cランク10件の得意先が存在しているとしよう。図表のとおり、月間115回の提案・商談機会があり、理論値とほぼ一致し、無理のない提案ができることがわかる。


図表.ワークロード・メソッドによる営業活動の見直し


 当たり前のこととはこういうことだ。営業成果は活動量に比例するという原則を忘れてはならない。月115回ある提案・商談チャンスを確実に実行できれば、期末に売上が足らなくて困るようなことはなくなるはずだ。

 「月115回も提案できるか?」という意見のある方は、第3回ショットガン営業のK君の活動事例を参考にしてほしい。



おすすめ新着記事

消費者調査データ コーヒー飲料(2024年3月版)独走「BOSS」、「ジョージア」との差を広げる
消費者調査データ コーヒー飲料(2024年3月版)独走「BOSS」、「ジョージア」との差を広げる

プラスが続くコーヒー飲料の市場についての調査結果をみると、23年調査に引き続き「BOSS」が全項目で首位を獲得、さらに2位の「ジョージア」とは、3ヶ月内購入で差を広げた。「BOSS」はエクステンションの「BOSS CRAFT」も高評価で、リーディングブランドとしての存在感を示している。

成長市場を探せ 3年連続で過去最高更新、拡大する麦茶飲料(2024年)
成長市場を探せ 3年連続で過去最高更新、拡大する麦茶飲料(2024年)

健康志向などを追い風に堅調な動きを続ける茶飲料市場のなかで、特に伸びている領域がある。3年連続で過去最高を更新した麦茶飲料だ。背景にあるのは、気候温暖化による毎年のような猛暑と、熱中症対策意識の高まりだ。

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い
消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

22年度、過去最高を更新した即席めん市場。その多くを占めるカップめんについての調査結果をみると、「カップヌードル」が絶対的な強さを示し、それを「赤いきつね/緑のたぬき」「日清のどん兵衛」が追う展開となった。一方で、節約志向を背景に、コストパフォーマンスに優れるPBの再購入意向も高い。



J-marketingをもっと活用するために
無料で読める豊富なコンテンツ プレミアム会員サービス 戦略ケースの教科書Online


マーケティング用語集

新着記事

2024.03.21

24年1月の「旅行業者取扱高」は19年比で69%に

2024.03.21

24年1月の「商業動態統計調査」は35ヶ月連続のプラスに

2024.03.19

24年2月の「景気の現状判断」は12ヶ月連続で50ポイント超えに

2024.03.19

24年2月の「景気の先行き判断」は4ヶ月連続で50ポイント超えに

2024.03.18

成長市場を探せ 3年連続で過去最高更新、拡大する麦茶飲料(2024年)

2024.03.15

企業活動分析 スギHDの23年2月期は増収減益。26年度売上1兆円へ向けた挑戦が続く

2024.03.14

24年1月の「消費支出」は11ヶ月連続のマイナス

2024.03.14

24年1月の「家計収入」は16ヶ月連続のマイナス

2024.03.13

戦略ケース なぜマクドナルドは値上げしても過去最高売上を更新できたのか

2024.03.12

企業活動分析 マツキヨココカラカンパニーの23年3月期はPB商品拡販やインバウンド需要増加で増収増益

2024.03.11

23年12月の「現金給与総額」は24ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」はマイナス続く

週間アクセスランキング

1位 2024.02.15

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 男性子育て層の約5割が利用 バンドワゴン効果で拡大する新NISA

2位 2023.12.27

2024年の日本を読み解く―24の視点

3位 2024.02.22

消費者調査データ No.402 RTD(2024年2月版) 「ほろよい」「氷結」「贅沢搾り」 熾烈なトップ争い

4位 2016.03.16

【マーケティングFAQ】どうすればブランド力を強化できるか

5位 2021.10.14

都心主要ラグジュアリーホテルのリバイバル戦略と行動直結プロモーション―産業衰退死段階の生き残り戦略【1】

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area