MS&ADインシュアランスグループホールディングスの2017年3月期連結決算は、経常収益5兆3,352億円(前年度比6.4%増)、経常利益3,526億円(同20.9%増)と増収増益、経常収益は昨年に引き続き5兆円を超えた。事業別にみると、国内損保事業は売上高が同1%減、純利益が同52.1%増であった。2016年4月の熊本地震をはじめとする自然災害があったが、自動車保険や火災保険を中心に好調であったことからこのような結果となった。また国内生保事業でも減収増益という結果になった。そして、グループの成長ドライバーである海外事業では、多様な商品展開でマーケットのニーズを取り込み、売上高は同105.1%増、純利益は同15.8%減と増収減益となった。MS Amlinの新規連結効果や自然災害の影響等などでこのような結果となった。今後は三つの損害保険会社とふたつの生命保険会社があるグループとしてシナジーを創出する、更にはそのグループのシナジーを用い、それぞれの会社が持つ特徴や強みを発揮して、機能別再編を完遂する事で成長と効率化を同時に目指していく。一方で、自動車の自動運転技術の開発等、進展するICTへ対応する商品を展開をさらに進め、また、英国Amlin社買収により、さらなる海外事業の強化を推進、新時代へ対応していく必要がある。
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参照コンテンツ
- 戦略ケース 導入進むロボアドバイザー ―フィンテックは貯蓄を投資に誘導できるか(2017年)
- 戦略ケース アメリカネット金融市場の覇者-チャールズシュワブの顧客戦略(2000年)
- 戦略ケース データベースマーケティングに挑戦するクレディセゾン(1999年)
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