ザ コカ・コーラ カンパニーの2017年12月期連結決算は、売上高354億ドル(前年同期比15.4%減)、営業利益75億ドル(同13%減)であった。地域別売上は欧州・中東・アフリカ地域、中南米地域北米地域で伸びたものの、アジア地域では売上を落とした。営業利益は中南米地域が増益となったものの、その他の地域ではマイナスとなった。2008年に策定された「Vision2020」(2020年までに売上を2倍にする)は現在も継続中だが、アメリカや他の先進国で消費者の健康志向から炭酸飲料が避けられる傾向が高まったことなどから、2012年度をピークに売り上げが減少傾向にあり、業績面ではやや苦戦している。ただし、 2017年度は当初目標を上回る業績を達成、既存事業は通年で3%の増収、9%の増益(税引前実質利益)となった。「コカ・コーラ ゼロシュガー」など糖分ゼロ製品の拡充、成功事例の他国への迅速な展開、新興ブランドの買収、短いサイクルでの実験的なマーケティング、身軽で合理的な組織への再編など、成長のために多岐にわたる方策を実施した。2018年度もこれらの取り組みを継続しつつ、売上高と1株当たり利益(EPS)の成長加速を目指す。
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参照コンテンツ
- 戦略ケース エナジードリンク市場 第二幕(2014年)
- 戦略ケース チャネル接点のリ・デザイン(2014年)
- 戦略ケース プラットフォーム発想を取り入れて、事業を活性化する(2013年)
- 戦略ケース 営業マン教育の新機軸~あらゆる商品と競り合って売りをつくるために(1984年)
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