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スマートフォン(2011年2月版) | ||
iPhoneの独走続くも、Android端末の巻き返しの兆候 -アップル vs グーグルの代理戦争の縮図 |
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従来の日本の携帯電話市場は、iモードに代表される世界標準とは違う独自の進化を遂げることで、「ガラパゴス化」といわれていました。しかし 2008年にアップルが「iPhone 3G」を発売し、日本におけるスマートフォン市場を創造しました。2010年になると、グーグルがモバイル向けプラットフォームとして開発した「Android」を搭載した端末が相次いで発売され、市場が拡大しつつあります。 今回の消費者調査データでは、当社が任意に選んだスマートフォン23ブランドを対象に、「知っている(認知率)」、「購入したい(購入意向)」、「買ったことのある(購入経験率)」などについてインターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けします。 今回の調査項目7項目中すべてでソフトバンクモバイルの「iPhone」ブランド(アップル)が首位を独占という結果になった。とくに 2010年6月発売の最新型「iPhone4」は、「購入した(購入経験)」で0.2ポイントという僅差で「iPhone3G / 3GS」に次ぐ2位となったほかは、6項目で首位を獲得するなど独走状態にある。さらに購入経験3%に対して、今後の購入意向(「今後(も)購入したい」)は、12%となっており、「iPhone」ブランドの勢いはまだまだ続くとみるべきであろう。 一方、携帯電話最大手のNTTドコモ陣営では、「GALAXY S(サムスン電子)」「REGZA Phone T-01C(富士通東芝モバイルコミュニケーションズ)」「Xperia(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ)」「BlackBerryR RIM」などが10位以内にランクインしている。しかし、認知率や広告接触率(「広告をみたことがある」)において、トップの「iPhone4」とドコモ陣営トップの「GALAXY S」との差は認知率で26.1ポイント、広告接触率で21.4ポイントと大きく水をあけられている。また同じく購入意向も8.4ポイント差である。 スマートフォン対応への遅れが指摘されているauだが、ワンセグやおサイフケータイの機能を備えた「IS03(シャープ)」が、認知者ベースの購入意向で3位、広告接触ベースの購入意向で2位と健闘するなど巻き返しの兆しがみえている。 携帯電話の個人利用率が約9割に達している国内市場(総務省「情報通信白書」より)において、携帯電話キャリア3強は顧客の囲い込みのための料金体系の変更や価格競争など消耗戦を繰り広げている。一方で、加入者一人あたりの月間売上高(ARPU :Average Revenue Per User)が低下している。ARPUは音声通話料とメールなどのデータ通信料に大別されるが、音声通話による収入は頭打ちの傾向が強まっており、各キャリアはデータ通信を応用した新サービスによるARPU増大に力を入れている。スマートフォン普及はアプリケーションの利用拡大を鍵を握っている。 国内の携帯電話市場は、「2013年ごろにスマートフォンとiモード機は新規販売数で逆転する」(NTTドコモ・山田隆持代表取締役社長)というようにスマートフォンへとシフトが急速に進んでいく。現状のスマートフォン市場はアップル「iPhone」独走状態だが、「Android」も無償のオープンソースという特性を活かして陣営を拡大させている。いわば「アップル vs グーグル」の代理戦線ともいえる、スマートフォン市場の動向が注目される。 (2011.02)
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