クールジャパンとは、日本独自の文化面でのソフト領域が海外で評価されている現象や、そのコンテンツにとどまらず日本文化そのものを指す言葉として使用されることもあります。当初は、秋葉原などに代表されるゲーム・漫画・アニメや、J-POP・アイドル、渋谷・原宿のファッションなどの若者系のポップカルチャーを指す場合が多かったですが、そこから日本食や食材、伝統工芸、家電製品など広範囲にわたる文化までカバーしています。
この現象に目を付けたのが日本政府で、2010年くらいから対外文化宣伝・輸出政策で使用されるようになりました。具体的には2010年に経済産業省が日本文化産業の海外進出、人材育成などの促進を行う「クールジャパン室」を設置して「クールジャパン戦略担当」が配置されるなど、日本の新しい産業の柱として期待されています。
安倍政権が掲げるアベノミクス「3本の矢」のひとつ、「成長戦略」における喫緊の重要政策課題として「規制改革の推進」や「TPPなど経済連携」と並んで「クールジャパンの推進」をあげています。2013年2月には戦略の在り方を検討する「クールジャパン推進会議」も設置されました。議長を稲田朋美クールジャパン戦略担当大臣が務め、民間議員としてアイドルグループAKB48のプロデューサー秋元康氏やデザイナーのコシノジュンコ氏、角川グループホールディングスの角川歴彦会長などが起用されたことで認知している人も多いのではないでしょうか。
日本の強みを活かすという点で、海外からの評価が高いアニメや漫画、キャラクターなどのコンテンツは有望です。それを効率よく宣伝して輸出できれば、大きなビジネスチャンスに発展する可能性は高いと思われます。「初音ミク」などはその典型例と言えるでしょう。またこれまで、なかなかビジネス展開できずに埋もれていた分野が掘り起こされる可能性も秘めていることも期待の大きさにつながっています。一方で、現在の「クールジャパン」とされている分野は非常に多岐にわたっているため、総花的であるともいえます。今後はそのポテンシャルと国際的な競争優位性などを見極めた「選択と集中」が必要であるといえます。
参照コンテンツ
おすすめ新着記事
消費者調査データ シャンプー(2024年11月版) 「ラックス」と「パンテーン」、激しい首位争い
調査結果を見ると、「ラックス(ユニリーバ)」と「パンテーン(P&G)」が複数の項目で僅差で首位を競り合う結果となった。コロナ禍以降のセルフケアに対する意識の高まりもあって、シャンプー市場では多様化、高付加価値化が進んでいる。ボタニカルやオーガニック、ハニーやアミノ酸などをキーワードに多様なブランドが競うシャンプー市場の今後が注目される。
消費者調査データ レトルトカレー(2024年11月版) 首位「咖喱屋カレー」、3ヶ月内購入はダブルスコア
調査結果を見ると、「咖喱屋カレー」が、再購入意向を除く5項目で首位を獲得した。店頭接触、購入経験で2位に10ポイント以上の差をつけ、3ヶ月内購入では2位の「ボンカレーゴールド」のほぼ2倍の購入率となった。
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 伸長するパン市場 背景にある簡便化志向や節約志向
どんな人がパンを食べているのか調べてみた。主食として1年内に食べた頻度をみると、食事パンは週5回以上食べた人が2割で、特に女性50・60代は3割前後と高かった。パン類全体でみると、朝食で食事パンを食べた人は女性を中心に高く、特に女性50代は6割以上であった。