半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

マーケティング用語集
インセンティブ
インセンティブとは

 インセンティブ(Incentive)とは、意欲を引き出すために外部から与える奨励や刺激、報奨などを指します。インセンティブは、金銭や物品の提供、旅行、賞による名誉などの形で提供されます。流通や販売、営業活動、経営など、さまざまな分野で導入されています。

 インセンティブは大きくふたつに分けられ、消費者に向けた施策を消費者インセンティブ、流通や小売業者、また販売や営業を行う社員などに向けた施策をセールスインセンティブと呼びます。メーカーが流通業者や小売業者に向けた施策をトレードインセンティブと呼ぶこともあります。

 消費者インセンティブの例としては、試供品やおまけ品の配布、懸賞、バーゲンなどがあげられます。一方、セールスインセンティブでは、メーカーが流通や小売業者に向けた施策として、取引数量や金額に応じて価格を割引く数量割引、取引量や金額に応じて流通業者に支払うリベートなどがあります。企業が社員に向けた施策として、販売成績に応じた報奨金や賞与の提供、自社株を購入できるストックオプション制度などがあります。


導入の可否

 インセンティブの具体例として、携帯電話の販売があります。本来は数万円の価値がある携帯電話を破格値で提供することができるのは、携帯電話会社から販売業者にインセンティブが支払われているからです。携帯電話が1台売れると、携帯電話会社は報奨金を販売業者に支払う取り決めになっており、この報奨金のおかげで販売業者は本体価格を仕入価格以下に設定できるのです。こうした仕組みは携帯電話の普及拡大には効果的であり、消費者は携帯電話を安く手に入れることができ、携帯電話会社は契約者を増やすことができたのです。

 しかし、インセンティブを導入した販売手法は、商品の導入期には効果的であっても、価格の低下や供給過剰によって、ブランドの価値を低下させるおそれがあります。商品のライフサイクルを見極めて、複数のインセンティブの使い分けや組み合わせを行うことが必要です。



おすすめ新着記事



J-marketingをもっと活用するために
無料で読める豊富なコンテンツ プレミアム会員サービス 戦略ケースの教科書Online


マーケティング用語集

お知らせ

2024.03.25

当社合田執筆の「猛スピードのクルマはいらない」 これからの高齢化社会に必要な“まちづくり”とは何か? そのヒントは欧米になかった!」がメルクマールに掲載されました。

新着記事

2024.07.26

消費者調査データ 炭酸飲料(2024年7月版)  首位「コカ・コーラ」、迫る「三ツ矢サイダー」、高い再購入意向の無糖炭酸水

2024.07.25

24年5月の「広告売上高」は、6ヶ月ぶりのプラス

2024.07.24

24年5月の「旅行業者取扱高」は19年比で72%に

2024.07.23

24年5月の「商業動態統計調査」は2ヶ月連続のプラス

2024.07.22

企業活動分析 キユーピー株式会社 23年11月期は海外など好調で増収も原材料高騰で2桁減益に

2024.07.22

企業活動分析 カゴメ株式会社 23年12月期は引き続き海外事業がけん引し増収増益に

2024.07.19

企業活動分析 ライオン株式会社(2023年12月期) 増収も土地譲渡益の反動等で減益に

2024.07.19

企業活動分析 ユニリーバ(Unilever)(2023年12月期) 減収減益、事業部門の業績格差受け、新成長戦略を修正へ

2024.07.19

24年6月の「景気の先行き判断」は3ヶ月連続で50ポイント割れに

2024.07.18

24年6月の「景気の現状判断」は4ヶ月連続で50ポイント割れに

2024.07.17

MNEXT 円安は歓迎すべきかー過熱する円安論争

2024.07.16

企業活動分析 山崎製パン株式会社 23年12月期は大幅な増収増益で過去最高益に

2024.07.12

消費者調査データ スポーツドリンク・熱中症対策飲料(2024年7月版) 首位「ポカリスエット」、追い上げる「アクエリアス」

2024.07.11

24年5月の「消費支出」はふたたびマイナスに

2024.07.10

24年5月の「家計収入」は20ヶ月ぶりのプラス

2024.07.09

24年4月の「現金給与総額」は28ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」はマイナス続く

2024.07.08

企業活動分析 大塚HD 23年12月期は売上は過去最高を記録、医療事業の減損損失で減益に

2024.07.08

企業活動分析 小林製薬の23年12月期は、R&Dや宣伝広告への積極投資を行い増収減益に

2024.07.05

成長市場を探せ 初の6,000億円超え、猛暑に伸びるアイスクリーム(2024年)

週間アクセスランキング

1位 2017.09.19

MNEXT 眼のつけどころ なぜ日本の若者はインスタに走り、世界の若者はタトゥーを入れるのか?

2位 2024.07.03

MNEXT コロナ禍の前中後の内食もどりはあったのか? -食欲望の現在-

3位 2024.03.13

戦略ケース なぜマクドナルドは値上げしても過去最高売上を更新できたのか

4位 2019.09.10

戦略ケース プラットフォームビジネスで急拡大するウーバーイーツ

5位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area