営業活動は自社が創出した製品の価値を最終ユーザーに伝達するという意味において非常に重要な役割を担っています。ところが実際の現場ではそれとは全く異なることが行われてきました。つまり「顧客にどれだけ商品の価値を伝えたか」ではなく「どれだけ売ったか」が問題にされてきました。
このようなノルマ達成型営業が成立していたのは、あくまでも成長を前提とした場合だけです。現在のような低成長下では効力を生まないことは業種を問わず事実となって表れているばかりか、営業マンの士気やモラルの低下にまでつながってしまい、若年層の営業離れに拍車をかけることにもなりかねません。
ノルマ達成型営業に代わる新しい営業体系として提案型営業が考えられます。提案型営業とは、一言でいえば「顧客の長期的な繁栄を実現させるための支援活動」となります。提案型営業がノルマ達成型営業と大きく異なるのは、
- 顧客に満足してもらうことによって
- 自社(従業員)の満足につながる
ということです。最終的に自分が満足することによって営業活動に魅力と充実感が感じられるようになります。
提案型営業が新しい営業活動として定着するためには、いくつかの条件をクリアしなければなりません。
- 職場全体でのコミュニケーションと相互理解
- 成功体験の蓄積
- 組織・体制のバックアップ
営業スタイルを変えるということは過去を否定することであり、大変な決断が必要とされます。しかし成功体験を重ね、全社で盛り上げていくことによって不安を自信へ変化させることができるのです。
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