半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

マーケティング用語集
パワー・コンフリクト理論


パワー・コンフリクト理論とは

 パワー・コンフリクト理論とは、組織間のパワー関係やコンフリクトの制御に着目して、チャネルメンバー間の取引関係の分析を行う理論です。パワーとはチャネルをコントロールする力、コンフリクトとはチャネルシステム内で発生するメンバー間の対立や衝突のことを指します。チャネルシステムにおけるパワーの源泉、コンフリクト発生のメカニズムの理論とも言えます。L.W. スターンによって提唱されました。


パワーの種類

 パワーには、「経済的パワー」と「非経済的パワー」のふたつがあります。経済的パワーには、「報酬」と「制裁」があります。いわゆるアメとムチです。非経済的パワーには、「一体化」、「正当性」、「専門性」があります。近年、消費において、情報の価値の重要性が高まっていることを背景に、経済的パワーの重要性が低下し、専門性のような非経済的パワーの重要性が高まっています。


コンフリクトの種類

 コンフリクトに関する行為者の組み合わせには以下の3種類があり、それぞれに特徴的なコンフリクトがあります。組み合わせの特長を見極め、コンフリクトの予測を行う必要があります。

  1. 垂直的チャネル・コンフリクト
    同じチャネル内の段階が違うもの同士で起こるコンフリクトです。例えば、メーカーと販社の関係がこれにあたります。この関係では、価格設定や販売促進の方針など施策に関するコンフリクトがみられます。
  2. 水平的チャネル・コンフリクト
    チャネル内の同じ段階同士でのコンフリクトです。例えば、フランチャイズ店のA店とB店の関係です。この関係では、同一地域の競合によるコンフリクト、1店の「問題児」による全体のイメージダウンから生じるコンフリクトがみられます。
  3. マルチチャネル・コンフリクト
    製造業者が同じ市場でふたつ以上のチャネルを利用したとき生じるコンフリクトです。例えば、専門店と通信販売の関係です。この関係では、取扱商品の重複によるコンフリクトや、価格設定から生じるコンフリクトがみられます。


コンフリクトの原因と対応

 コンフリクトが生じる原因には、大きくふたつあります。「目標の不一致」と「役割と権利の不明確さ」です。例えば、垂直的チャネルの関係で生じるコンフリクトでは「目標の不一致」が原因となりがちです。また、水平的チャネルの関係で生じるコンフリクトでは、「役割と権利の不明確さ」が原因となることが多いです。

 このようなコンフリクトを解決し、チャネルを適切に管理する役割を担うのがチャネルリーダーです。チャネルリーダーが、チャネル組織の共通目標を実現していくためには、チャネルを効率的にコントロールし、内部での利害衝突を緩和することが重要になります。



関連用語


おすすめ新着記事



J-marketingをもっと活用するために
無料で読める豊富なコンテンツ プレミアム会員サービス 戦略ケースの教科書Online


マーケティング用語集

新着記事

2024.09.12

24年7月の「消費支出」は3ヶ月連続のマイナスに

2024.09.12

24年7月の「家計収入」は3ヶ月連続のプラス

2024.09.11

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 「紅麹サプリ問題」認知率は86%! 消費者の健康食品選びに変化

2024.09.11

24年6月の「現金給与総額」は30ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」はマイナス続く

2024.09.10

24年7月は「完全失業率」は悪化、「有効求人倍率」は改善

2024.09.09

企業活動分析 ヤクルト本社の24年3月期は国内好調維持するもアジアの不振で増収減益に

2024.09.09

日本マクドナルドHD23年12月期は全店売上高、利益が過去最高を更新し増収増益へ

2024.09.06

企業活動分析 エスティローダーの23年6月期は、トラベルリテールの不調やドル高、インフレなどが響き減収減益に

2024.09.06

消費者調査データ 茶飲料(2024年9月版) 抜群の強さ「お~いお茶」、大手3ブランドが熾烈な2位争い

2024.09.05

24年8月の「乗用車販売台数」はふたたびマイナスに

2024.09.04

企業活動分析 ロイヤルホールディングス株式会社 23年12月期は人流増加で需要回復、増収増益に

2024.09.03

24年7月の「新設住宅着工戸数」は3ヶ月連続のマイナス

2024.09.02

企業活動分析 株式会社サイゼリヤ 23年8月期はアジア新規出店がけん引し増収増益

2024.08.30

月例消費レポート 2024年8月号 消費は緩やかながらも改善の動きが続いている-内需主導での景気回復への期待感

2024.08.30

消費からみた景気指標 24年6月は6項目が改善

2024.08.30

24年7月の「ファーストフード売上高」は41ヶ月連続のプラスに

2024.08.30

24年7月の「ファミリーレストラン売上高」は29ヶ月連続プラス

2024.08.29

24年6月の「旅行業者取扱高」は19年比で73%に

2024.08.29

24年6月の「広告売上高」は、2ヶ月連続のプラス

2024.08.29

24年7月の「全国百貨店売上高」は29ヶ月連続のプラス、猛暑で盛夏商材が好調

2024.08.29

24年7月の「チェーンストア売上高」は既存店で17ヶ月ぶりのマイナス

週間アクセスランキング

1位 2017.09.19

MNEXT 眼のつけどころ なぜ日本の若者はインスタに走り、世界の若者はタトゥーを入れるのか?

2位 2023.10.06

消費者調査データ No.393ミネラルウォーター(2023年10月版)全項目首位 一歩抜ける「サントリー天然水」、追う「い・ろ・は・す」

3位 2024.08.30

月例消費レポート 2024年8月号 消費は緩やかながらも改善の動きが続いている-内需主導での景気回復への期待感

4位 2024.03.13

戦略ケース なぜマクドナルドは値上げしても過去最高売上を更新できたのか

5位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area