「クリック」=電子商店、「モルタル」=実店舗を意味し、両者を融合した、インターネットとリアルの店舗を組み合わせた流通システム・顧客アクセスの考え方を「クリック&モルタル」と言います。
そして、両方をもってシナジー効果を発揮できる企業をクリック&モルタル型の企業と称します。
もともとアメリカの電子取引業会では既存の大手企業の古めかしい建物を「ブリックス&モルタル」と表現してきました。「ブリックス」とは煉瓦(れんが)で「モルタル」とは漆喰(しっくい)の意味であり、実在の倉庫や店舗や流通網などを表わします。それとネットビジネスを表わすコンピュータのマウスの操作である「クリック」をもじり「クリック&モルタル」と名づけられたといわれます。
「クリック&モルタル」に対して、オンライン専業の通常のドットコム企業は「ピュアプレーヤー」と呼ばれています。
これまでの一般的な見方では、クリック&モルタルの旧式の組織構造ではインターネット業界のスピードにはついていけないと思われていましたが、両者の立場が入れ替わりつつあります。
米インターネット比較ショッピングサイトのビスレイトの調査では2000年11月末には米全体のショッピングサイトの総計で「クリック&モルタル」が「ピュアプレーヤー」の1.3倍の受注を得ています。
また、2001年7月にはインターネットを利用した食品スーパーで米国最大手のウェブバンが営業停止を発表、これで米国の独立系ネット販売専業スーパーは総崩れとなり、「店舗と組み合わせない限りビジネスモデルとしては成功しない」との見方が広がっています。
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