「クリック」=電子商店、「モルタル」=実店舗を意味し、両者を融合した、インターネットとリアルの店舗を組み合わせた流通システム・顧客アクセスの考え方を「クリック&モルタル」と言います。
そして、両方をもってシナジー効果を発揮できる企業をクリック&モルタル型の企業と称します。
もともとアメリカの電子取引業会では既存の大手企業の古めかしい建物を「ブリックス&モルタル」と表現してきました。「ブリックス」とは煉瓦(れんが)で「モルタル」とは漆喰(しっくい)の意味であり、実在の倉庫や店舗や流通網などを表わします。それとネットビジネスを表わすコンピュータのマウスの操作である「クリック」をもじり「クリック&モルタル」と名づけられたといわれます。
「クリック&モルタル」に対して、オンライン専業の通常のドットコム企業は「ピュアプレーヤー」と呼ばれています。
これまでの一般的な見方では、クリック&モルタルの旧式の組織構造ではインターネット業界のスピードにはついていけないと思われていましたが、両者の立場が入れ替わりつつあります。
米インターネット比較ショッピングサイトのビスレイトの調査では2000年11月末には米全体のショッピングサイトの総計で「クリック&モルタル」が「ピュアプレーヤー」の1.3倍の受注を得ています。
また、2001年7月にはインターネットを利用した食品スーパーで米国最大手のウェブバンが営業停止を発表、これで米国の独立系ネット販売専業スーパーは総崩れとなり、「店舗と組み合わせない限りビジネスモデルとしては成功しない」との見方が広がっています。
関連用語
おすすめ新着記事
消費者調査データ 紅茶飲料(2024年10月版) 首位「午後の紅茶」、「紅茶花伝」に水をあける
2023年、数量金額ともにプラスとなった紅茶飲料。調査結果を見ると、キリンの「午後の紅茶」が再購入意向以外の5項目で首位を獲得した。認知率は9割、購入経験も5割を超え、再購入意向では2位以下に10ポイント余の差をつけ、リーディングブランドらしい強さをみせた。
消費者調査データ ミネラルウォーター(2024年9月版) 全項目首位「サントリー 天然水」、リピート意向の高いPB
2023年、2年連続で2桁増を達成したミネラルウォーターについての調査結果をみると、全項目で5ポイント以上の差をつけて「サントリー天然水」が首位に。2位は「い・ろ・は・す天然水」。再購入意向ではベスト10内に5ブランドのPBという結果となった。
成長市場を探せ V字回復で2年連続過去最高更新の炭酸飲料(2024年)
炭酸飲料が伸びている。2020年はコロナ禍で前年割れとなったが、翌21年にはコロナ前の水準に迫り、22年、23年と2年連続で過去最高を更新した。