
先発優位とは、新しい市場に早期参入することで持つことができる優位性のことです。大きなメリットとしては、以下のポイントから、先発企業は後発企業よりも、その市場において有利なポジションに位置することができます。
- 新製品を受け入れる消費者は価格を気にしない新しいもの好き、所謂イノベーターと考えられ、企業側からみるとうまみがある
- 最初であることで、その製品カテゴリーの代名詞となることができ、後発に対して心理的な参入障壁を形成することができる
- 経験効果により生産面では有利なコスト競争が可能となる。
しかし、以下のような難しさもあります。
- 「新しさ」を市場に認知してもらい、価値を伝えるための宣伝広告費が膨大になる
- 「新しさ」を持ち、後発企業に簡単に真似できない製品を作る技術力と研究開発が必要
- 高い参入障壁を作らないと、後発に市場を奪い取られる
後発優位とは、先発企業に対して後発企業が持つ優位性のことです。先発企業が優位性を持つ難しさを突いた戦略により得られる優位性です。
- 既に市場が創られているので、宣伝広告は、製品価値を伝えるのではなく、ブランド訴求をするのみで良い
- 先発企業の失敗事例を観察できるので、技術開発について無駄な投資が抑えられる
- 独自の改良をすることで別の新しさ、価値を訴えることで先発の市場を奪い取れる
後発企業は先発企業の行動から、より少ない投資で最大限の効果を生むことができます。インターネット産業をはじめコンピューター産業草創期では、この傾向が多く、先発企業が開発費を回収する前に、後発企業がより良い技術を開発・成功し、先発企業は倒産していきました。
先発者は確固たるポジションを築くことで参入を許さないようにすることが求められ、後発者は消費者に新しさ、既存にはない価値を創ることが必要と考えられます。
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