世界は21世紀、消費爆発の世紀になろうとしています。2001年に実施した世界10カ国のネットユーザー調査によると、日本以外の9カ国は消費意欲が高く、日本だけが支出見通しが増加層よりも減少層の比率が大きくなっています。これまでの世界の消費市場は、日本、アメリカ、EUが牽引する三極リード市場でした。
弊社の分析では、この市場がグローバルな階層型市場へと転換しつつあると捉えられます。その要因は、グローバルに共通な価値意識(「上昇志向」「自国主義」「共生志向」)が形成されていること、世代交代(どの国でも1990年前後が世代区分の節目になっている)、情報のネットワーク化の進展、にあります。
世界の消費市場をリードしているのは、「上昇志向」が強いビジネスエリート層(をめざす層)です。情報通信関連の投資に積極的で、ブランドにこだわって商品を選ぶ傾向が強い人たちです。
翻って、日本の消費リーダーは、誰か。
世界の消費リーダー層と共通の勝ち組みをめざす人たちがいます。年収1,000万の高所得層は収入支出とも他の層に比べて増大しています。
ふたつめが、バブル後世代(「世代」の項参照)です。バブル崩壊後に思春期を迎えバブル崩壊のショック体験がない若い世代です。節約志向の強い上の世代とは異なる消費意識をもっています。
三つめは、フルタイム有職主婦です。節約志向はありますが、欲しいモノにはお金をかけるという戦略的消費行動がみられ、健康関連食品・機器・サービス、デジタル家電などに高い消費意欲がみられます。
全体としては消費低迷が継続していますが、さまざまな格差が拡大している中で、新たな消費リーダーが登場しつつあります。
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