世代は、歴史的共通体験に基づいて前後の集団とは異なる価値観や生活様式を形成する、生年による区分です。ドイツの社会学者カール・マンハイムは「同時代に生まれた個人がその人間形成期である思春期に社会的、政治的な状況や強い印象を与える精神的文化の側から共通の著しい影響を受ける、という同時的共存の現象がある」として世代論を展開し、現代の世代論の基礎を打ち立てました。
日本において、最初に世代を論じたのは徳富蘇峰です。蘇峰は明治維新前後に生まれ、明治期に青年期を過ごした思想家ですが、著作の中で「天保の老人」と「新日本之青年」という世代名をつけて旧世代を批判しました。
現在の日本の世代区分は、戦争体験の有無、戦後のベビーブームによる人口密集などによって、10に区分されます。(区分の考え方や生年は必ずしも定まってはいません。)
- 戦中世代 (1930~1938年生まれ)
- 戦後世代 (1939~1945年)
- 団塊世代 (1946~1950年)
- 断層世代 (1951~1960年)
- 新人類世代 (1961~1970年)
- 団塊ジュニア世代 (1971~1978年)
- バブル後世代 (1979~1983年)
- 少子化世代 (1984~1988年)
- ゆとり世代 (1989~1993年)
- デフレ世代 (1994~2000年)
これからの消費リーダーとして注目されるのが、最も若く、これから社会人のライフステージに登場してくる「デフレ世代」です。
この世代は、バブル崩壊からの不況期の記憶が薄くその後遺症が少ないため、節約志向の強い上の世代とは違う消費意識を持っているからです。
「時代は世代を形成し、(略)世代は、その生きてきたさまざまな時代のイメージに構成される歴史意識をふまえつつ、次の時代を形成していく。」(社会学者の見田宗介「現代日本の精神構造」より)そうした観点から、世代研究は新しい時代の変化を捉える有力な手がかりになるといえます。
参照コンテンツ
- マーケティング用語集 ライフステージ(ライフサイクル)
- マーケティング用語集 消費リーダー
- MNEXT 世代論からみた「明治維新から2030年の未来」― 循環史観で先読み
- MNEXT 世代論からみた日本人の「カネ嫌い」― 変わる他人への信頼
- MNEXT 世代論からみた日本人の涙 ― 泣かなくなった日本人
- MNEXT 「団塊の世代」への目のつけどころ
おすすめ新着記事

消費者調査データ No.397 シャンプー(2023年12月版) 「パンテーン」と「ラックス」、僅差の競り合い
コロナ禍によるインバウンド需要喪失からゆっくり立ち直りつつあるシャンプー市場。調査結果は「パンテーン」が複数項目で首位を獲得したが、2位の「ラックス」との差はごくわずかで競り合いが続いている。国内メーカーでは、独立系の専業メーカーが独自のコンセプトで高いリピート意向を獲得している。

成長市場を探せ 「巣ごもり」後も割安感で堅調な家庭用冷凍食品(2023年)
2022年の家庭用冷凍食品の生産量は、前年比100.8%となる80万5,000トンで、8年連続拡大、過去最高を更新。22年からの食品全般の値上げのなかで、簡便化志向や節約志向から利用が継続されているとみられている。

消費者調査データ レトルトカレー(2023年11月版) 首位は咖喱屋カレー、リピートされる調理対応カレー
コロナ禍以降、家族の食卓への浸透が一層進んだレトルトカレー。調査結果では、咖喱屋カレーがトップを堅持する一方、再購入意向では調理対応カレーやコスパに優れるPBが上位に。家族食としての定着を裏付ける結果となった。



