オンワードHDの2020年2月期連結決算は、売上高2,482億円(前年同期比3.2%増)、営業損失31億円(前期は45億円の営業利益)となった。主力の国内アパレル事業は、中核事業会社の(株)オンワード樫山を中心にEコマースの販売が堅調に推移、法人向けユニフォーム、セールスプロモーショングッズ等の企画販売を行うオンワード商事(株)が増収増益となった。一方で消費税増税や豪雨・台風等の自然災害・暖冬等の天候不順の影響もあり、実店舗での販売が大きく苦戦し、国内事業全体では減収減益となった。また海外事業は、アジア事業においてグローバル事業構造改革により、減収ながら増益となったが、欧米事業は構造改革効果の寄与が翌期以降となることから減収減益となり、海外事業全体としては減収減益(営業損失)となった。ライフスタイル関連事業は、ギフトカタログ事業を行う(株)大和の子会社化が大きく寄与し増収増益となった。2021年2月期の第1四半期は大幅な減収、21億円の営業損失と、厳しいスタート。通期の業績予想については現時点で未定としている。事業環境の激しい変化に対応すべく、グローバル事業構造改革を加速させ、体質強化と収益改善を図る計画。中長期的にはデジタル、カスタマイズ、ライフスタイルの三つの分野を成長の柱とした成長戦略を引き続き推進する方針だが、状況は極めて厳しい。
参照コンテンツ
- 戦略ケース アパレル業界のD2Cを牽引 オンワード樫山「KASHIYAMA the Smart Tailor」(2019年)
- 戦略ケース オンワード株式会社 -「店頭中心主義」とヨコの連帯強化(1995年)
- 戦略ケース 株式会社ワールド-SPAを制するものはアパレル業界を制す!! ワールドのあくなき挑戦(2001年)
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事

猛暑に伸びる、3年連続過去最高更新のミネラルウォーター
ミネラルウォーター市場は、コロナ禍の落ち込みからたった1年で成長軌道を取り戻し、2024年には前年比10.5%増の4,794億円余、過去最高を3年連続で更新した。背景にあるのは、続く猛暑の夏に伴う水分補給ニーズ、メガトレンドである健康志向、災害対応の備蓄などだ。

消費者調査データ 植物性ミルク 首位は「キッコーマン 豆乳」、再購入意向にはオーツやアーモンドミルクも
低カロリーで高栄養が支持され堅調に拡大する植物性ミルク。調査結果では「キッコーマン 豆乳」が全項目で首位となった。プレータイプの豆乳が上位に目立つが、再購入意向ではオーツやアーモンドミルクも上位に食い込んだ。

大阪万博を盛り上げたのはリアルなつながり 日本への期待を提示した184日間
EXPO2025 大阪・関西万博(以下大阪万博と呼ぶ)が184日間の会期を終え、10月13日に閉幕を迎える。 入場チケット販売数は2200万枚を超えるなど多くの人が来場しており、誰がどのように来場し、何を感じたかを調査した。


![戦略家のための知的羅針盤[エム・ネクスト]product by 松田 久一](/img/mnext-sub-title.png)