成城石井の2011年度の売上高は、487億円で前年比104.9%と増収であった。11年5月に親会社のレックス・ホールディングスが、三菱商事系のファンド会社「丸の内キャピタル」設立の新会社に成城石井の全事業を譲渡した。それにより、ファンドのネットワークを生かし、新規物件開発や卸事業における物流網の効率化などの効果が期待できることとなった。また、元々掲げている年10店舗前後という出店戦略は変更せず、13年4月23日時点で103店と、成城石井の急成長の理由のひとつとなっている。出店場所は、97年の「アトレ恵比寿店」のエキナカ出店を皮切りに、駅ビル、デパ地下、ショッピングセンター、高速道路サービスエリア、コンビニ跡地などと多岐にわたっており強みとなっている。成城石井のもうひとつの強みが「商品力」である。12年4月には神奈川県高座郡寒川町に新物流センターが稼働。これまで3ヶ所に分かれていた物流倉庫を、1ヶ所に集約することにより、店舗への配送を効率化。また、新センターには最高レベルの定温定湿倉庫を併設し、24時間管理している。スーパーマーケット市場の低迷により、単身者向けの小型店やシニア向け店舗など、新たなアイデアで各社しのぎを削る中、既存店の生産性向上と今後の出店の行方が注目される。
参照コンテンツ
- 戦略ケース 楽天、アマゾン参入・強化で食の流通が変わる 拡大する食品販売のネット化 II(2012年)
- JMRからの提案 顧客視点の新規事業開発(2012年)
- 消費者調査 No.159 総合スーパー・食品スーパー(2012年10月版)
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事
消費者調査データ 紅茶飲料(2024年10月版) 首位「午後の紅茶」、「紅茶花伝」に水をあける
2023年、数量金額ともにプラスとなった紅茶飲料。調査結果を見ると、キリンの「午後の紅茶」が再購入意向以外の5項目で首位を獲得した。認知率は9割、購入経験も5割を超え、再購入意向では2位以下に10ポイント余の差をつけ、リーディングブランドらしい強さをみせた。
消費者調査データ ミネラルウォーター(2024年9月版) 全項目首位「サントリー 天然水」、リピート意向の高いPB
2023年、2年連続で2桁増を達成したミネラルウォーターについての調査結果をみると、全項目で5ポイント以上の差をつけて「サントリー天然水」が首位に。2位は「い・ろ・は・す天然水」。再購入意向ではベスト10内に5ブランドのPBという結果となった。
成長市場を探せ V字回復で2年連続過去最高更新の炭酸飲料(2024年)
炭酸飲料が伸びている。2020年はコロナ禍で前年割れとなったが、翌21年にはコロナ前の水準に迫り、22年、23年と2年連続で過去最高を更新した。