H2Oリテイリングの2018年3月期の連結決算は、売上高9,219億円(前年同期比2.3%増)、営業利益228億円(同1.0%増)と増収増益であった。穏やかな景気拡大や円安株高によって堅調な国内消費が続き、インバウンド消費がさらに活発化したことで百貨店事業が好調に推移した。また、下半期から事業を承継した神戸・高槻事業の堅調な業績も寄与し、売上・利益ともに前期を上回った。百貨店事業は、阪急うめだ本店及び博多阪急の大規模改装による「新しい価値提供」が集客力の向上につながり、国内、インバウンド需要ともに好調に推移した結果、阪急阪神百貨店の売上・利益は過去最高となった。2017年10月1日付で継承した神戸・高槻事業では、屋号やサービス内容等を変更することなく、阪急百貨店・阪神百貨 店のノウハウを融合させながら運営した結果、売上・利益ともに想定を上回る結果となった。食品事業では、イズミヤにおいて当初計画を前倒しして建て替えオープンした店舗や、食に特化した改装を行った店舗の効果が徐々に出始めている。阪急オアシ スにおいても新店オープンや既存店の改装など効果が出てはいるものの、両スーパーの不採算店舗の閉鎖や建て替え工事による店舗閉鎖の影響により、売上・利益ともに前期を下回った。不動産事業では、保有する不動産物件の収益力向上を図るため、イズミヤ店舗の再編計画に伴う建て替え工事や改装等に取り組んだ。また、ビルの改装工事に伴い施設管理事業が好調に推移するとともに、コスト削減による経営効率の改善に取り組んだ結果、売上・利益ともに前期を上回った。
参照コンテンツ
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事
成長市場を探せ V字回復で2年連続過去最高更新の炭酸飲料(2024年)
炭酸飲料が伸びている。2020年はコロナ禍で前年割れとなったが、翌21年にはコロナ前の水準に迫り、22年、23年と2年連続で過去最高を更新した。
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 「紅麹サプリ問題」認知率は86%! 消費者の健康食品選びに変化
コロナが明けて需要が戻った健康食品市場だったが、2024年3月に「紅麹サプリ問題」が起こった。そこで、健康食品の利用と、「紅麹サプリ問題」を受けて消費者の行動がどう変化したかを調査した。
消費者調査データ 茶飲料(2024年9月版) 抜群の強さ「お~いお茶」、大手3ブランドが熾烈な2位争い
2年連続のプラスとなった茶飲料市場の調査結果をみると、トップブランドの「お~いお茶」が全項目で首位、大手飲料メーカーの緑茶ブランド3点が熾烈な2位争いを繰り広げている。一方、再購入意向のランキングでは、麦茶ブランドが上位に入った。