IBMの2016年12月期の連結決算は、売上高799.2億ドル(前年比97.7%)、税引前当期利益は123億ドル(同77.3%)となった。ここ10年、IBMはビジネスモデルの変革を行っているが、ここ数年はクラウドサービスやAI、そして人工知能「Watson」への投資を行うことによって、次世代ビジネス・デジタルビジネスを強化し、IBMにとっての収益の柱にすることを目指している。2016年に、IBMとSAPは互いの提携を強化し、顧客のデータ駆動型の要件に合わせて設計されたソリューションにより、デジタル変革の実現をさらに推進するようになった。また、2017年には今後5年間で人々の仕事や生活、関わり合い方を変える可能性を持った五つの画期的かつ科学的なイノベーションをまとめた「IBM 5 in 5」 を発表。その内容は「AIによってメンタルヘルスへの理解を深める」ことや、「スマート・センサーが光速レベルで環境汚染を探知する」など、グローバルで問題となっている事象を、新しい科学的な手段によって解決することができる、というものである。今後如何にして自身が有する科学技術を、利益をあげるためのビジネスだけでなく、社会的事業に応用できるかが、 IBMの今後の成長にとって重要となってくる。
参照コンテンツ
- 戦略ケース 導入進むロボアドバイザー―フィンテックは貯蓄を投資に誘導できるか(2017年)
- 戦略ケース IBM ハード・ソフト・サービス垂直統合モデルの苦戦と模索 (2015年)
- 戦略ケース e-businessによる顧客ネットワークの再編と営業革新 (1999年)
- 戦略ケース Aptivaでコンシューマーブランドの確立をめざす (1997年)
- JMRからの提案 オープンアーキテクチャ戦略の限界(2003年)
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