半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

(2015.05)
IBM
ハード・ソフト・サービス垂直統合モデルの苦戦と模索
戦略研究チーム

本コンテンツの全文は、会員サービスでのご提供となっております。
ご利用には有料の会員登録が必要です。
ご登録済みの方は、こちらから全文をご利用ください。
ご登録はこちらをご覧ください。

1.コンピュータ市場の独占(1911年~1970年代前半)

 IBMは1911年6月にニューヨーク州で誕生した。創業期の主たるビジネスは、国勢調査向けパンチカードによるデータ処理機器事業であった。1920年代、電信技術の発達でデスク作業が急拡大した。CEOであったワトソン・シニアは国勢調査向けパンチ式統計機器を一般企業向けに転用することを思いつき、パンチカード機器市場を創造・独占することに成功した。戦後、軍事技術の転用からコンピュータが開発される。当初市場参入が遅れたIBMだったが、顧客基盤と圧倒的な資金力をもとに、次々と先発競合の顧客を奪っていった。さらに1964年、メインフレーム「システム360」を投入。互換性、拡張性の高さからこれまで導入を渋っていた多くの企業の関心を引き、1960年代後半にコンピュータ市場独占に成功し、1965年には純利益率は15%にまで上がった。


2.パソコン市場の拡大とIBMの危機(1970年代後半~1993年)

 70年代後半に出現したパソコンは個人向けを中心に、1980年代に入ると急速に市場を拡大した。1981年に遅れて参入したIBMは、OSはマイクロソフトに、MPUはインテルの手に委ねた。個人向けのパソコンが発達しても、中核である企業向けコンピュータ事業を脅かすものとは当時のIBM幹部は考えなかった。それは短期的にはIBMに多大な収益をもたらした。

 しかし、水平分業化したパソコンはIBMの予想を超えて機能向上・コストダウンが進んだ。80年代以降、小型PCと小型サーバを複数組み合わせることで大型メインフレームと同じレベルの機能を提供できる(「クライアント・サーバ」と呼ばれる)ようになった。価格の安さからIBMの顧客を奪っていった。1985年まで15%近くをキープしてきた純利益率は1985年以降急速に下がり、1992年にはIBMは創業以来の赤字を出すまでに至った。


>> ソフト・サービス事業拡大による再成長とその後の行き詰まり、今後の課題とは?
 【続きを読む】(有料会員向け)



競合他社の業績と比較分析する

お知らせ

2024.03.25

当社合田執筆の「猛スピードのクルマはいらない」 これからの高齢化社会に必要な“まちづくり”とは何か? そのヒントは欧米になかった!」がメルクマールに掲載されました。

新着記事

2024.07.26

消費者調査データ 炭酸飲料(2024年7月版)  首位「コカ・コーラ」、迫る「三ツ矢サイダー」、高い再購入意向の無糖炭酸水

2024.07.25

24年5月の「広告売上高」は、6ヶ月ぶりのプラス

2024.07.24

24年5月の「旅行業者取扱高」は19年比で72%に

2024.07.23

24年5月の「商業動態統計調査」は2ヶ月連続のプラス

2024.07.22

企業活動分析 キユーピー株式会社 23年11月期は海外など好調で増収も原材料高騰で2桁減益に

2024.07.22

企業活動分析 カゴメ株式会社 23年12月期は引き続き海外事業がけん引し増収増益に

2024.07.19

企業活動分析 ライオン株式会社(2023年12月期) 増収も土地譲渡益の反動等で減益に

2024.07.19

企業活動分析 ユニリーバ(Unilever)(2023年12月期) 減収減益、事業部門の業績格差受け、新成長戦略を修正へ

2024.07.19

24年6月の「景気の先行き判断」は3ヶ月連続で50ポイント割れに

2024.07.18

24年6月の「景気の現状判断」は4ヶ月連続で50ポイント割れに

2024.07.17

MNEXT 円安は歓迎すべきかー過熱する円安論争

2024.07.16

企業活動分析 山崎製パン株式会社 23年12月期は大幅な増収増益で過去最高益に

2024.07.12

消費者調査データ スポーツドリンク・熱中症対策飲料(2024年7月版) 首位「ポカリスエット」、追い上げる「アクエリアス」

2024.07.11

24年5月の「消費支出」はふたたびマイナスに

2024.07.10

24年5月の「家計収入」は20ヶ月ぶりのプラス

2024.07.09

24年4月の「現金給与総額」は28ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」はマイナス続く

2024.07.08

企業活動分析 大塚HD 23年12月期は売上は過去最高を記録、医療事業の減損損失で減益に

2024.07.08

企業活動分析 小林製薬の23年12月期は、R&Dや宣伝広告への積極投資を行い増収減益に

2024.07.05

成長市場を探せ 初の6,000億円超え、猛暑に伸びるアイスクリーム(2024年)

週間アクセスランキング

1位 2017.09.19

MNEXT 眼のつけどころ なぜ日本の若者はインスタに走り、世界の若者はタトゥーを入れるのか?

2位 2024.07.03

MNEXT コロナ禍の前中後の内食もどりはあったのか? -食欲望の現在-

3位 2024.03.13

戦略ケース なぜマクドナルドは値上げしても過去最高売上を更新できたのか

4位 2019.09.10

戦略ケース プラットフォームビジネスで急拡大するウーバーイーツ

5位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area