アステラス製薬の2018年3月期の連結決算は、売上高1兆3,003億円(前年同期比0.9%減)、営業利益2,133億円(同18.2%減)と減収減益となった。減収の要因は2016年4月に行われたグローバル皮膚科事業の譲渡及び、2017年4月の日本における長期収載品の譲渡の影響によるものである。地域別の売上では、日本とEMEA(欧州、中東及びアフリカ)は減少、米州とアジア・オセアニアで増加した。また営業利益では、為替変動による販売費及び一般管理費の上昇や、投資拡充による研究開発費の増加が主な減益の要因である。同社は2018年に新たな中期経営計画を策定し、主力品の特許切れに直面する19年度を業績の底として、20年度に17年度水準の売上高1兆3,000億円程度に回復させると発表した。今後は、グローバルで販売する抗癌剤「イクスタンジ」や、後期段階にある開発品も含めた新薬5製品群の売上拡大を目指す。また研究開発では、泌尿器や免疫など重点疾患領域に絞ったビジネスモデル「グローバル・カテゴリー・リーダー」(GCL)から決別し、適応症にこだわらずに新規化合物を創出する戦略に転換する。2018年度は連結売上高1兆2,780億円、営業利益2,650億円の減収増益を見込む。
参照コンテンツ
- 戦略ケース 大衆薬のネット販売本格化で始まるメーカー・小売の業界再編(2013年)
- 戦略ケース 改正薬事法で変わるドラッグストアの競争軸(2008年)(2013年)
- 戦略ケース 大衆薬販売へ向けて加速するファミリーマートとセブン-イレブン(2008年)
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事
成長市場を探せ コロナ特需の反動乗り越え成長するパスタソース(2024年)
コロナ特需から3年連続で縮小するレトルト市場にあって、パスタソースは2年連続の成長となった。「あえる・かける」だけで一品となるレトルトパスタソースの簡便性は、時短ニーズにマッチするものとして成長が期待されている。
消費者調査データ 紅茶飲料(2024年10月版) 首位「午後の紅茶」、「紅茶花伝」に水をあける
2023年、数量金額ともにプラスとなった紅茶飲料。調査結果を見ると、キリンの「午後の紅茶」が再購入意向以外の5項目で首位を獲得した。認知率は9割、購入経験も5割を超え、再購入意向では2位以下に10ポイント余の差をつけ、リーディングブランドらしい強さをみせた。
消費者調査データ ミネラルウォーター(2024年9月版) 全項目首位「サントリー 天然水」、リピート意向の高いPB
2023年、2年連続で2桁増を達成したミネラルウォーターについての調査結果をみると、全項目で5ポイント以上の差をつけて「サントリー天然水」が首位に。2位は「い・ろ・は・す天然水」。再購入意向ではベスト10内に5ブランドのPBという結果となった。