亀田製菓の2018年3月期の連結決算は、売上高995億円(前期比1.3%増)、営業利益50億円(同10.6%減)と増収減益であった。2017年度は中期経営計画の最終年度であり、「グローバル・フード・カンパニー」の実現に向けてブランド力の強化を図り、6期連続で過去最高売上高を更新したものの、同社の主力商品である米菓の原材料調達環境が悪化した影響により減益となった。主力事業である国内米菓事業については、ブランド維持・向上の観点から価格競争とは一線を画し、主力ブランド「亀田の柿の種」「ハッピーターン」に経営資源を集中投下する方針のもと、重点的な販売促進活動を展開、これにメディア露出効果の後押しもあり、収益は安定的に推移した。また多様化する顧客ニーズに柔軟に対応するため、「亀田のおいしくオフ習慣」シリーズを立ち上げ、塩分や糖質を抑えた商品ラインアッ プの拡充を図った。拡大を進める海外事業については、米国の連結子会社であるMary's Gone Crackers, Inc.が記録的大雨による長期的な業績影響を受け、新工場移転に向けた統合コストの発生も重なり減収減益となった。2018年度は国内では商品ポートフォリオの見直しによる製造原価低減、海外では米国Mary's Gone Crackers, Inc.の収益化実現を方針として掲げ、新中期経営計画達成に向け、経営戦略の実効性を高めるための基盤構築を推し進める。
参照コンテンツ
- MNEXT 眼のつけどころ BABYMETALのロングセラー化戦略を考える―めっちゃ私見と戦略思考鍛錬として(2017年)
- MNEXT 眼のつけどころ ブランドのロングセラー化の鍵は「うまいマンネリ」づくり―市場溶解期のブランド再構築(2017年)
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第90号 ロングセラーブランドの現在と受容層を探る(2017年)
- JMRからの提案 ロングセラーブランドの長寿化(2018年)
- JMRからの提案 顧客接点のリ・デザイン -成功事例- 1.商品接点のリ・デザイン(2014年)
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事

首位は「モンスターエナジー」、再購入意向は「モンエナ」ファミリー勢ぞろい
調査結果をみると、「モンスターエナジー」が再購入意向以外の5項目で首位、再購入意向の上位は「モンスターエナジー」の派生ブランドが上位を占めるなど「モンエナ」ファミリーが国内No.1らしい強さをみせた。

消費者調査データ カップめん(2025年4月版)別次元の強さ「カップヌードル」、2位争いは和風麺
調査結果をみると、「カップヌードル」が、ほぼ全員に認知があり、4分の3に購入経験があり、半数弱が3ヶ月以内に購入、と圧倒的な強さをみせるなど、ロングセラーブランドへの上位集中が鮮明な結果となった。背景には、昨今の値上げ続きで強まる消費者の節約志向があると考えられる。「失敗したくない」という意識が安心感のあるブランドに向かっているのだ。

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター チョコレートの今後購入意向は80%以上! 意外にも男性20~30代と管理職が市場を牽引
チョコレート商品の値上げが続くなか、成分や機能を訴求したチョコレートが伸びている。今回はどのような人がどんな理由でチョコレートを食べているのか調査した。



