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公開日:2022年02月01日

消費動向速報
低迷に転じる消費性向、再び積み上がる黒字
―消費回復は足踏み
主任研究員 菅野守


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 コロナ禍で、消費動向が変化しています。その変化をいち早く把握し、ビジネスに役立てるために、官公庁などが発表する統計データから気になる動向をご紹介します。


平均消費性向は21年8月頃を境に回復から低迷に転じている。
家計黒字も足許で再び積み上がりつつある。中でも、預貯金で顕著だ。
こうした傾向からも、消費回復の足踏み状況がうかがわれる。

1.平均消費性向は低迷へ転じる

 2020年10月辺りを底に上昇傾向にあった平均消費性向は、2021年8月辺りを境に低迷へと転じている。

 総務省公表の「家計調査」をもとに、二人以上世帯のうち勤労者世帯における平均消費性向の推移をみると、2020年10月辺りを底に近似曲線は上昇トレンドに転じたが、2021年9月辺りでその勢いはやや鈍化しつつある(図表1)。


図表1.平均消費性向の推移

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 前年同月と比較すると、2021年3月から7月にかけてはプラスが続いていた。だが、2021年8月以降はマイナスが続いており、その低迷ぶりが目立ってきている(図表2)。


図表2.平均消費性向の前年同月差

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再び積み上がる家計黒字

 家計黒字の積み上がりも、預貯金で際立っている。

 前年同月差は、2021年3月から7月にかけてマイナスが続いてきたが、8月以降は再びプラスに転じている(図表3)。


図表3.黒字の変化

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 最近2ヶ月における黒字の各構成要素の変化をみると、2021年10月と11月のいずれでも、預貯金純増のプラス幅がもっとも大きい。2021年10月から11月にかけてのプラス幅は、黒字のプラス幅の2倍以上となっている(図表4)。


図表4.最近2ヶ月における黒字の各構成要素の変化

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 消費性向の低迷や、黒字が再び積み上がっていることからも、消費回復の足踏み状況がうかがわれる。



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