半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

公開日:2022年01月26日

月例消費レポート 2022年1月号
コロナ感染再拡大で消費は再び足踏みの気配
主任研究員 菅野 守

※図表の閲覧には会員ログインが必要です。

 消費マインドはピークアウトの気配が出始め、消費は再び足踏み状態になりつつある。
 2022年に入りコロナ感染が再拡大する中で、回復の兆しがみえつつあった消費にもブレーキがかかる可能性が高そうだ。

 JMR消費INDEXは2021年11月時点で40.0へと低下し、再び50を割り込んだ。一方で、近似曲線は上昇トレンドを維持している(図表1)。

 INDEXを構成する個々の変数をみると、2021年11月時点で、支出関連3指標は再び悪化に転じた。販売関連10指標(チェーンストア売上高除く)については、前月と比べ悪化の側がわずかに優勢となっている(図表2)。

 2021年11月とコロナ前の2019年11月時点とを比較すると、全15指標中、改善を示しているのは食料品売上(一昨年同月比伸び率:110.8%)、家電製品売上(同:105.9%)、家具・インテリア売上(同:104.0%)、ファーストフード売上(同:102.8%)、消費支出(同:100.5%)の計5指標であり、その数は前月よりも減っている。

 消費支出の伸びは名目・実質ともに、わずかにマイナスとなっている(図表4)。一昨年同月比では、名目・実質ともに2ヶ月連続でプラスとなっており、これは2020年1月以降では初めてのことである。

 10大費目別では、2021年11月は、名目ではプラスの側がわずかに優勢であるが、実質ではマイナスの側がわずかに優勢である。ただ、名目・実質のいずれも、前月と比較してプラスの費目が増えている(図表5)。

 販売現場では、小売業全体の売上は2ヶ月連続で改善している。チャネル別の前年同月比では、ドラッグストアは7ヶ月連続のプラス、百貨店は2ヶ月連続のプラスとなった。他方、スーパー、家電大型専門店、ホームセンターは再びマイナスに転じ、コンビニエンスストアは2ヶ月連続のマイナスである(図表9、図表10)。

 外食売上は、全体では2ヶ月連続でほぼ横ばいとなっている。業態別では前月と同様に、ファーストフードはプラスを保っている一方で、ファミリーレストランとパブ・居酒屋はマイナスが続いている(図表18)。こうした状況は、一昨年同月比でみても変わらない。

 新車販売では、乗用車(普通+小型)の伸びは4ヶ月連続のマイナス、軽乗用車も4ヶ月連続のマイナスである(図表11)。

 一昨年同月比でも、乗用車(普通+小型)、軽乗用車ともにマイナスが続いている。

 家電製品出荷では、白物家電のうち、401L以上の電気冷蔵庫、洗濯乾燥機、電気掃除機など多くの品目がプラスに戻している。他方、AV機器では、4K対応薄型テレビやBDレコーダはマイナスが続いている。情報家電でも、スマートフォンとノートPCともにマイナスが続いている(図表12、図表13、図表14)。

 新設住宅着工戸数は、全体では9ヶ月連続でプラスとなった。利用関係別でも、持家、分譲住宅・一戸建て、分譲住宅・マンションの全てでプラスとなっている(図表15)。

 三大都市圏別の推移をみると、持家は全ての地域で8ヶ月連続プラスとなっている。他方、マンションでは中部圏とその他の地域でプラスに転じたものの、首都圏と近畿圏ではマイナスが続いている(図表16、図表17)。

 雇用環境については、2021年11月時点で完全失業率は悪化したが、有効求人倍率は横ばいと、引き続き方向感が定まっていない(図表6)。

 収入環境は、引き続き改善傾向を保っている。2021年11月時点で、現金給与総額は横ばいだが、所定内給与額の伸びはプラスに転じ、超過給与の伸びは前月と同様にプラスを保っている(図表7)。

 消費マインドにはピークアウトの兆しが見えてきた。2021年12月時点で、景気ウォッチャー現状判断DIはほぼ横ばい、消費者態度指数はわずかにマイナスに転じている(図表8)。

 総合すると、消費はカテゴリー間で好不調の格差を抱えたまま、消費マインドにピークアウトの気配が出始めるなど、再び足踏み状態になりつつある。

 消費支出の伸びはわずかにマイナスに転じている。小売販売では一部でマイナスに転じる動きも出ている。外食売上、新車販売、AV機器や情報家電では概ね、マイナスが続いている。プラスを保っている領域は今のところ少数派だ。

 収入環境では改善が続いているが、雇用環境は引き続き方向感が定まらない。消費マインドにはピークアウトの兆しが見え、消費者態度指数は既に悪化に転じる動きもみられる。

 2022年に入り、コロナ感染が再拡大したことで、ホテルや旅館で宿泊予約のキャンセルが相次ぐとともに、飲食店の客足も急速に遠のいている。消費マインドに止まらず、一時回復の兆しがみえつつあった消費にも、一旦ブレーキがかかる可能性が高そうだ。


図表を含めた完全版を読む

完全版を読むには無料の会員登録が必要です。

参照コンテンツ


おすすめ新着記事



J-marketingをもっと活用するために
無料で読める豊富なコンテンツプレミアム会員サービス戦略ケースの教科書Online


新着記事

2026.10.02

26年8月の「ファミリーレストラン売上高」は54ヶ月連続プラス

2026.10.02

26年8月の「ファーストフード売上高」は66ヶ月連続のプラスに

2026.10.01

26年8月の「コンビニエンスストア売上高」は2ヶ月連続のプラスに

2026.10.01

26年8月の「チェーンストア売上高」は2ヶ月連続のプラスに

2026.10.01

26年8月の「全国百貨店売上高」は8ヶ月連続のプラスに

2026.09.30

切れた消費回路、束ねるブランド接点

2026.09.30

「人類滅亡説」はAI生き残り戦略 - 米中巨大赤字チキンレースと日本逆転への布石(後編)

2026.09.29

26年7月の「旅行業者取扱高」は3ヶ月ぶりのプラスに

2026.09.28

企業活動分析 アップルの25年9月期は、サービス事業過去最高で増収増益に

2026.09.25

26年8月の「景気の先行き判断」は6ヶ月連続の50ポイント割れに

2026.09.25

26年8月の「景気の現状判断」は29ヶ月連続で50ポイント割れに

2026.09.24

26年7月の「広告売上高」は、9ヶ月連続のプラス

2026.09.18

「人類滅亡説」はAI生き残り戦略 - 米中巨大赤字チキンレースと日本逆転への布石(前編)

2026.09.17

26年7月の「商業動態統計調査」は8ヶ月連続のプラスに

2026.09.16

26年7月の「消費支出」は5ヶ月連続のマイナスに

2026.09.15

26年7月は「家計収入」、「可処分所得」ともマイナスに

2026.09.14

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 20代男性の半数が有料フィットネスを利用! 心理的充足が継続・満足の鍵

2026.09.11

MNEXT 「ベッセント砲」による円高は基調転換か

2026.09.10

26年7月の「現金給与総額」は55ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」は3ヶ月ぶりのプラス

2026.09.09

26年7月は「有効求人倍率」は横ばい、「完全失業率」は改善

2026.09.08

26年8月の「乗用車販売台数」は5ヶ月連続のプラス

週間アクセスランキング

1位 2026.09.18

「人類滅亡説」はAI生き残り戦略 - 米中巨大赤字チキンレースと日本逆転への布石(前編)

2位 2026.07.24

投機筋の円ショートの積み増し・買い戻しが、 異次元の円安局面の短期変動を増幅

3位 2026.06.01

「円安上等」のその先にあるもの

4位 2022.01.28

MNEXT 眼のつけどころ ePOPで成熟ブランドのリブランディング― 2022年春の提案

5位 2019.02.04

MNEXT 眼のつけどころ 巨大融合メディアへの戦略的対応―情報チャネルの再設計の提案

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area