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(2013.09)
消費税増税のインパクトと消費の行方
本稿は、2013年11月14日開催予定のネクスト戦略ワークショップ「2014年の消費を読む」の関連コンテンツです。
消費研究チーム

反転した経済見通しと消費
図表1.景気見通しの時系列推移

図表2.節約への心がけの程度:時系列推移
 消費者マインドが反転した。リーマンショックを契機に悪化し、震災を経て暗い見通しが支配していた空気が、昨年末から明らかに変化した。
 まず、「今後の日本の景気について」の消費者の見方は(図表1)、2012年7月時点では「悪くなる」が47.2%から、直近の2013年7月には23.7%と半減し、「よくなる」については、昨年7月10.8%から、2013年7月に20.2%とほぼ倍増した。2013年7月は、「よくなる」と「悪くなる」が拮抗しており、9月8日の東京オリンピック招致決定のニュースによって、さらに改善が進んでいることが想像される。
 同時に消費者の節約意識についてみると、「節約を心がけている」は2012年7月には73.8%だったのが、2012年12月から2013年にかけて少しずつ低下してきており、さいふの紐が緩んできていることがうかがえる(図表2)。
 これらの事実は、弊社において2004年からオリジナルの消費者調査を毎年継続している消費社会研究から明らかになっている(分析結果は「消費社会白書」としてまとめ、毎年刊行)。本稿では、本年の消費者調査の結果を先取りして、現在の消費動向と来春の消費増税のインパクトについて紹介する。なお「消費社会白書2014」は本年12月10日に発刊予定である。

政権への期待が支える楽観見通しと支出増加層の拡がり
図表3.属性別景気見通し

図表4.世帯支出増減の時系列推移

図表5.属性別世帯支出増減
 なぜ、景気見通しが反転したのか。景気見通しの認識に影響を与えるさまざまな要因を分析してみると、物価見通しや企業業績見通しなどの、経済の実態的な認識の善し悪しよりも、安倍内閣への政策への期待感や安倍内閣を支持するかどうかが大きな影響を与えていることがわかった(図表3)。昨年末の安倍政権誕生と、その政策への期待感によって消費マインドが転換したと考えられる。
 昨年末からの円安株高によって資産家層のマインドが改善し、一部百貨店売上の改善にみられるように、富裕層から支出が改善した。2013年夏までには、企業業績、賞与・給与収入の増加、設備投資など、消費をとりまく経済環境は改善傾向が明らかになってきた。
 そして現在は、1年前と比べて世帯支出の増加層が増えてきている(図表4、5)。昨年と比べて増加率が大きいのは、Wミドル層(ファミリー期のライフステージにあり、かつ年収階層のミドル層(400万~1,000万))である。人口構成比も多く、ライフステージ条件から最も活発に消費を行っている人達である。(参考:提言論文 消費を牽引する「Wミドル」(2013年))政権への期待感を背景にして、富裕層からWミドルに支出意欲が層転移して、全体的な厚みを増していく過程にあるとみられる。

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