主任研究員 菅野 守
セッション2では、見え始めた価値観と消費リーダーについて紹介します。また、そのリーダー層が、実際にどのような生活をしているのかにスポットを当てたいと思います。
先ほどもあった通り、中流社会というものが崩れつつあります。持家、職住分離、性別分業といった中流生活を象徴する条件を、客観的にどのくらいの人が満たしているかというと、全体で8.4%しかいませんでした。また、今後そうなりたいかという問いに対しても、三つの条件すべてを希望する人はわずか1.1%でした。従来型の中流生活は多くの人にとって魅力的に映らなくなっています。
それでは、これからどんな生活が求められているのか考えてみたいと思います。
まず、人々の価値意識の変化についてみていきます。弊社で継続的に調査している価値観の中で、トップは「温かな家庭や社会をつくりたい」で、賛成率は73.6%です(図表1)。
![](https://www.jmrlsi.co.jp/concept/report/consumption/ws201610-02-01.png)
次に価値観の変化をみてみると、自己実現志向が上昇傾向にあるといえます。特に第12世代といわれる1996年以降生まれの人たちが台頭してきたことが、この上昇に影響しており、これからも自己実現志向はさらに伸びていくと予想できます。
価値観の違いに基づいて生活者をグルーピングすると、一番大きなグループは「地域定着層」でした。また、最近増えつつある自己実現志向の強いグループは「自己肯定層」と「生き甲斐層」に分類されました。「自己肯定層」は、比較的若い人たちが属しています。「生き甲斐層」は、ミドルからシニアの上昇志向が強く、これまで消費を伸ばしてきた人が属しています。
第10回 ネクスト戦略ワークショップ 講演録
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