洋風ファーストフード市場は、2021年の年間売上高がコロナ禍以前の2019年を上回るなど好調に推移している(日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。今回はハンバーガーに着目し、だれがどのような理由で利用しているか調査を行った。
まず外食の利用頻度増減を2020年2月以前と比較してみると、店内飲食は「増えた計」よりも「減った計」が多く、テイクアウト、ドライブスルー、デリバリーサービスは増えた計の方が多かった(図表2)。
ハンバーガー利用頻度は「月に1回以上」と答えた人が、42.5%となった。その中でも利用頻度の高い、週に1回以上利用する人を様々な属性別で比較すると、性別・世代別で差がもっとも大きかった。もっとも多かったのは男性リオ世代、次いで女性ゆとり世代、男性バブル後世代の順番となった(図表3)。
コロナ禍前と比べたハンバーガーの利用頻度増減は、「変わらない」と答えた人が、51.3%ともっとも多かった。一方で「減った」計が15.6%と、「増えた」計を上回っている(図表4)。
現在のハンバーガー利用状況は、コロナ禍前と比べて減少が大きくなっているといえる。
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次にハンバーガーチェーン別の認知浸透状況をみてみる。
まず、1年以内利用経験ではマクドナルドが約7割ともっとも高かった。2位はケンタッキーフライドチキンとモスバーガーがほぼ同率で続く。マクドナルドは2位以下に2倍以上の差をつけた。
今回の調査では18のハンバーガーチェーンを提示した。10位以下には最近話題となっているシェイクシャックなどが挙がったが、利用率は2.0%以下となっている。
次に、コロナ禍前と比較して増えたチェーンをみると、マクドナルドが22.7%と突出していた。
今後の利用意向は、1位がマクドナルドで74.4%、2位はモスバーガーの58.8%、3位はケンタッキーの49.7%となっており、1年以内利用経験から順位が入れ替わっている。また、今回提示したすべてのハンバーガーチェーンで、今後の利用意向が1年以内利用経験を上回った。
ハンバーガーチェーン業界は、今後も成長が期待できそうだ(図表5)。
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ここでは、もっとも最近利用したときの具体的な食べ方をみてみる。食べたメニューはハンバーガーやホットドッグなどメインメニューが9割を超えた。またサイドメニューも過半数を超えている (図表6)。その時の支払い金額の最頻値は500~700円未満で、500~1,000円未満までを合計すると6割以上と、購入単価が高くなっていると推測できる(図表7)。
利用方法については、1位はテイクアウトが46.1%と、店内飲食の31.6%を上回った(図表8)。さらに様々な属性別で分析をしたところ、都市規模、外食・外出自粛意識によって利用方法に大きな差がみられた。都市規模でみると、テイクアウトは大都市や大都市郊外に多い。「外食を控えている」「外出を避けている」に「非常にそう思う」と答えた人でも、テイクアウト利用が多かった(図表9)。ハンバーガーを選ぶ理由の1位は「おいしいから」が約6割、次いで「値段が安いから」「家が近いから」「利便性が良いから」の順番で多かった(図表10)。
外食・外出自粛意識が高まる中で、テイクアウトを利用して、おいしいものを食べたいという思いで購入する人が増えたと考えられる。
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最後に、ハンバーガーの今後について考えていく。各ハンバーガーチェーン利用者のうち、今後の再利用意向があると回答した割合は、上位3社は9割を超えるなど極めて高く、4位以下も8割前後と高い(図表11)。また1年以内に利用はしていないが、今後の利用意向がある人は、モスバーガーで約43%、マクドナルドで約34%となった。既存ユーザーの高い再利用意向と、非利用者の利用意向率から今後さらに伸長していくことが考えられる(図表12)。
ハンバーガーに対するイメージについてみていくと、全体では「おいしい」が約76%、「以前よりおいしくなった」が約37%だった。また今後の利用意向者では、「おいしい」「以前よりおいしい」がそれぞれで全体を上回っている。
食意識・健康意識別にみると、健康に気を使っている人ほど、「おいしい」と同時に 「カロリーが高そう」と回答している(図表13)。
このことから、健康意識の高い人が、カロリーが高いことを気にしながらも、おいしさを求めてハンバーガーを食べていることがうかがえる。
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- 4割以上の人が月に1回以上食べるハンバーガー
- 利用経験、今後意向ともに圧倒的な「マクドナルド」
- 外出自粛層も食べたハンバーガー
- 上位3社の再利用意向は9割超え!伸長見込めるハンバーガー
* 業界クリップ 2022年9月(全7頁)
- 消費者の動き 【消費心理が再び悪化】
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- 地産地消 【日本酒版の「ドメーヌ」の取組】
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- チャネル政策・チャネル動向 【イオンが冷凍食品の新業態】
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