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ビジュアルコミュニケーションの極意
第1回 「ビジネスコミュニケーションとしてのプレゼンテーション」
プレゼンテーションがビジネスの成否を左右した、あなたにはそんな経験はありませんか?

 プレゼンテーションの成功に不可欠な図表作成を初歩から応用までサポートします。通してお読みいただけば、貴方も高度な企画書が作成できるようになっているはずです。
 プレゼンテーション用アプリケーションとして最もポピュラーな「マイクロソフトパワーポイント」を利用したプレゼンテーションのヒントを提案します。

「ビジュアルコミュニケーションの極意」の第2回以降はWebメンバーシップサービス限定コンテンツでお届けしております。

 企画、報告、提案などのさまざまなビジネスシーンで、プレゼンテーションの必要性が高まってきています。プレゼンテーションの成否は、作成した資料の説得力にかかってきます。プレゼンテーションが、顧客などの意志決定を促し、アクションを引き出すことを目的とする以上、
適切な情報を選択し
情報を集約してストーリー、メッセージを決定した上で
それらを説得力のある資料で表現する
ことが必要です。
 資料の説得力は、図表作成の能力によって左右されます。 同じ内容を表現するにしても、見やすく、分かりやすい資料を用意することで、メッセージの伝達の度合いは大きく違ってきます。
 このコーナーは、企画書、報告書、提案書などさまざまな場面に応じたメッセージを図表化し、分かりやすくインパクトのあるプレゼンテーションを作成するための一助となることを目的としています。
 具体的には、全12回を三つのステップに分け、それぞれ
Step 1 基本グラフを作成する
Step 2 基本グラフを組み合わせてプレゼンテーション資料を作る
Step 3 コンセプトを表現する
として、通してお読みいただくことで高度な企画書が作成できるようになることを目指します。

■ 「ビジュアルコミュニケーションの極意」進行ステップ


  構 成

第1回 ビジネスコミュニケーションとしてのプレゼンテーション(一般公開中)
第2回 グラフの選択と基本グラフの作成
第3回 応用的なグラフ
第4回 レイアウトの基本(1)
第5回 レイアウトの基本(2)
第6回 メッセージを伝える
第7回 動きのあるプレゼンテーション
第8回 イメージの表現:対比型・交差型
第9回 イメージの表現:循環型・展開型
第10回 イメージの表現:要因分解型・収斂型
第11回 イメージの表現:イメージ型
第12回 プレゼンテーションを仕上げる


 実際の図表作成に先立ち、第1回では、図表の種類や作成にあたっての考え方などをご案内していきます。

(1) 図表作成のステップ

 プレゼンテーションで利用される図表は、単なる事実確認や報告ではなく、受け手の意志決定を促すことを目的として作成されます。
 そのため、図表作成の前に
  • 誰にどんな情報をどのように伝えたいのか
を明確化しておく必要があります。

 たとえば、データを表現するのであれば、単に「売上の状況を伝える」ではなく、売上高の推移なのか、他社との比較なのか、それによって何を伝えたいのかを明確にしてから図表作成にのぞみます。
 次に、データを収集し、必要ならば小数点の桁数を揃える、平均値を出すなどの加工を施します。
 データ形式にふさわしいグラフをつくり、配色や文字の大きさなどを加工して、メッセージワードとともに配置します。

図表1-1 データを表現する図表の作成


 また、新規事業のコンセプトを伝えるなら、コンセプトの中核となるキーワードをいくつか抜き出しておく必要があります。
 次に、コンセプト間の関係が「対比」「循環」「発展」などのどれにあてはまるのかを確認し、ふさわしいパターンを選択します。
 最後に、配色や文字の大きさなどを加工して、メッセージワードとともに配置し、必要ならアニメーションの処理を行います。

 どちらの場合も、最終的に見る人の立場にたって評価と修正を行います。

図表1-2 コンセプトや論理を表現する図表の作成


(2) 図表の種類

 プレゼンテーション資料に使われる図表は、データを表現するためのものと、コンセプトや論理を表現するもののふたつに大別できます。
 データの表現を主体としたものは、売上の推移や競合とのシェア、生活者の情報などが含まれ、業績会議や量販店への販促提案などに使われるものです。このタイプのプレゼンテーションでは、データの意味やインパクトを伝えることに主眼がおかれるため、主にグラフが使用されます。
 コンセプトや論理を伝えるものは、新規事業の企画や提案の際に使われることが多く、高度な概念図やフローチャートが利用されます。

図表1-3 図表の種類


(3) データを表現する図表

 「量」、「推移」、「比率」などの数字を、視覚的に理解させるためには通常、グラフが利用されます。
 良いグラフとは
  • 目的にあったグラフの種類が選択されている
  • ポイントとなる数字が分かりやすく、一目で全貌がつかめる
  • インパクトがあり、見る人の興味をひく
グラフといえます。
 複数のグラフを組み合わせたり、関連する写真や地図などを組合せたりすることもあります。

図表1-4 データを表現する図表の例
A.データの種類に合わせたグラフを選択する
B.内容の一覧性があり、全貌をつかみやすい


(4) コンセプトや論理を表現する図表

 コンセプトや論理を表現するためには、概念図やフローチャートが利用されます。
 概念図やフローチャートなどは抽象的なコンセプトや論理を視覚的に訴え、瞬時に理解させることができるというメリットを持っています。
 作成にあたっては
  • コンセプトや論理の全体像が一目で理解できるようにする
  • 訴えたいポイントを強調する
ことが重要です。
 抽象的なコンセプトや論理を視覚的に表す場合、論理の展開に従っていくつかのパターンに分類できます。
 代表的なパターンとしては、
  • 対比・交差型
  • 循環型・展開型
  • 要因分解型・収斂型
  • イメージ型
などがあり、これらを組み合わせて表現する場合もあります。

図表1-5  コンセプトや論理を表現する図表の例
要因分解型・収斂型


 次回からは、今まで掲出した図表に加え、様々なパターンの図表を、マイクロソフトエクセル及びマイクロソフトパワーポイントを使って作成するテクニックを修得します。
 第2回、第3回で、データを表現する図表の基本であるグラフを、マイクロソフトエクセルを活用して作成していきます。

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