商談のクロージングをあなたはどのように工夫しているだろう。今回は「キュー」を送ることを提案したい。
ここでいう「キュー」とは、テレビ局の番組ディレクターが、出演者に向かって、演技や話、歌などを「開始してください」と指示する時に使われる、あの「キュー!」である。
商談でのキュー出しの仕方は、第33回でご案内した「プロスペクト理論の活用」も有効であり、「買わないことによって生じる損失を強調して伝える」こともクロージングの説得に有効だ。今回は、これに加えて「問題刺激」と「解決刺激」という方法をご案内する。
(1)問題刺激:現実の状態に気づきを与えること
図表.「キュー」を送る
例えば、「洋服が汚れていますが、お気づきですか?」といったもので、ここにプロスペクト理論の活用を加えると「自動車の任意保険に入っていないと、こんなに大変ですよ!」といったものになる。
(2)解決資源:理想的な状態を提示すること
例えば、「新しいスタイルの洋服を買えば、あなたが流行に敏感な人だと思われますよ」といったもの。鰻屋さんの煙も、鰻を食べた後の満腹感、満足感ということを想像させる役割を担っていると捉えることができる
商談クロージングの時のあと一押しの説得話法として、問題刺激や解決刺激といった方法を活用してみてはどうだろうか。
参照コンテンツ
おすすめ新着記事
消費者調査データ 茶飲料(2024年9月版) 抜群の強さ「お~いお茶」、大手3ブランドが熾烈な2位争い
2年連続のプラスとなった茶飲料市場の調査結果をみると、トップブランドの「お~いお茶」が全項目で首位、大手飲料メーカーの緑茶ブランド3点が熾烈な2位争いを繰り広げている。一方、再購入意向のランキングでは、麦茶ブランドが上位に入った。
成長市場を探せ コロナ禍の落ち込みから回復、3年連続プラスのゼリー飲料(2024年)
ゼリー飲料が伸びている。2020年はコロナ禍で前年の三分の二ほどまで落ち込んだものの、翌21年は早くもプラスとなり回復の動きをみせ、3年連続でプラスとなった。
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 急伸するPB化 高まるPB品質評価とNBの割高感
近年、食品NB(ナショナルブランド)が相次いで値上げしているなかで、PBの位置づけが大きく変わっている。PBの購入状況やPBの選択にどのような変化が起こっているのかの調査をまとめた。