プロスペクト理論(Prospect Theory)は、1979年にダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーによって展開された。得の領域では低い確率を高く見積もり、損の領域では高い確率を低く見積もることで、損失を利益より過大に見積もってしまうという人間の行動パターンが指摘されている。換言すると、人間は、利益よりも損失に、より抵抗感を感じるとする実証的な意思決定理論である。
例えば、以下のような選択肢がある場合、あなたはどれを選ぶだろうか。
設問1.
- 選択肢1.あなたは、確実に100万円を貰える
- 選択肢2.あなたは、80%の確率で150万円を貰えるが、20%の確率で何も貰えない
設問2.
数学をもとに考えれば、選択肢2と選択肢3を選ぶのが正解だ。しかし、実験をしてみると、ほとんどの人が選択肢1と選択肢4を選ぶことが確認されている。
セールストークの組み立てに、このプロスペクト理論を応用してみよう。そのセオリーは、つぎの通りである。
- あなたがセールスする商品をお客様が購入することによって得られる利得よりも、
- 買わないことによって生じる損失を強調して伝える
例えば、
- 「お買い得なんですよ」というのではなく、「買わないと損しますよ」
- 洗剤なら、「こんなに綺麗に汚れが落ちますよ」ではなく、「こんな汚れを放っておくのは、いかがなものでしょうか」
- 「こんなに便利なんですよ」というのではなく、「使わないと不便なままですよ」
といった方が効果的な場合が多い。
プロスペクト理論を応用し、普段の自分のお薦め話法がどうなっているのか、また、販促ツールのコピーなどを一度点検してみてはどうだろう。
おすすめ新着記事

成長市場を探せ コロナ禍からの回復続く居酒屋業態 けん引車はネオ居酒屋か
コロナ禍で大きな打撃を受けた居酒屋が回復を続けている。けん引しているのは、「ネオ居酒屋」「ネオ大衆酒場」などといわれる業態や、特定のメニューに特化した業態だ。

消費者調査データ チョコレート 首位「明治チョコレート」、追う「ガーナ」、再購入意向上位にはプレミアムチョコレートも
カカオショックのなか、最需要期を迎えたチョコレート市場。調査結果では明治チョコレートが首位で、「失敗しない」安心感のあるロングセラーがそれに続く。再購入意向首位にはリンツで、プチ贅沢需要もうかがえる。

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 主食・米の値上げを8割が実感 価格と品質の間で揺れる食卓
日本人の主食である米は、値上げが続くなか、食頻度の減少が増加を上回る一方、品質を重視する層もみられ、消費者の中で「こだわり」と「節約」が並存していることがわかる。


![戦略家のための知的羅針盤[エム・ネクスト]product by 松田 久一](/img/mnext-sub-title.png)