本屋が消えている。1999年から2015年の間で、約9,000もの店舗が減少した。街の小さな書店だけではない。2015年には「リブロ池袋本店」が、2016年には「紀伊国屋新宿南店」(1-5階の営業を終了 6階のみ洋書館として営業)、2017年に入ってからは「ブックファースト渋谷文化村通り店」など、名だたる大型店も姿を消していった。
大型店舗さえも集客に苦心する時代だ。「街の本屋さん」が、次から次へと店じまいしていくのも、うなずける。書店は、オンラインストアに淘汰されていくのだろうか。今後書店が生き残るには何が必要なのか、新しいタイプの書店を参考に考えてみる。
図表1.書店数の推移

現代人にとって、すでにECサイトで本や日用品を買うことが定着している。ECサイトは、利用の頻度でいえばまだまだコンビニやドラッグストアにはかなわないが、スーパーや100円ショップに次いで利用されている。さらに今後も、利用が増えていきそうだ。あらかじめ欲しい本が決まっていて、それ以外に用がなければ、実店舗で重くてかさばる本を買うことはない。
図表2.買い物チャネルの利用率と利用頻度の変化

では、ECサイトで買わないのは、どういう時だろう。なんとなく欲しい本は決まっているが、良いものがあればそれも買いたい、他にどんな本があるか確認したい...といった時だ。ECサイトでも「その本を買った人はこんな本も買っています」というレコメンド機能は付いている。さらに内容の確認も可能な場合もある。こうなると、ますますECサイトで事足りてしまうように思える。そして、実店舗の存在意義が危うくなる。
「本屋」に足を運ぶ理由として、筆者自身が最も多いのは「暇つぶし」だ。しかし、買おうと思っていた本があっても、その日にどうしても読む必要のある本でなければ、後でスマホなどで注文して届くのを待つことも多い。また、より手軽な電子書籍をダウンロードする場合もある。瞬時にほしい本を読み始めることができるし、かさばることもない。こう考えると、ただ本が置いてあるだけの「本屋」では、人の出入りの多さが売上げにつながらない場合が増えているということだ。
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