半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

(2017.07)
リアル書店の生き残り戦略
―カギは「ファンづくり」
戦略研究チーム

本コンテンツの全文は、有料会員サービスでの公開となっております。
ご利用には有料の会員登録が必要です。
ご登録済みの方は、こちらから全文をご利用ください。
会員のご登録はこちらをご覧ください。

 本屋が消えている。1999年から2015年の間で、約9,000もの店舗が減少した。街の小さな書店だけではない。2015年には「リブロ池袋本店」が、2016年には「紀伊国屋新宿南店」(1-5階の営業を終了 6階のみ洋書館として営業)、2017年に入ってからは「ブックファースト渋谷文化村通り店」など、名だたる大型店も姿を消していった。

 大型店舗さえも集客に苦心する時代だ。「街の本屋さん」が、次から次へと店じまいしていくのも、うなずける。書店は、オンラインストアに淘汰されていくのだろうか。今後書店が生き残るには何が必要なのか、新しいタイプの書店を参考に考えてみる。


図表1.書店数の推移


増えるEC利用、書店には逆風

 現代人にとって、すでにECサイトで本や日用品を買うことが定着している。ECサイトは、利用の頻度でいえばまだまだコンビニやドラッグストアにはかなわないが、スーパーや100円ショップに次いで利用されている。さらに今後も、利用が増えていきそうだ。あらかじめ欲しい本が決まっていて、それ以外に用がなければ、実店舗で重くてかさばる本を買うことはない。


図表2.買い物チャネルの利用率と利用頻度の変化


 では、ECサイトで買わないのは、どういう時だろう。なんとなく欲しい本は決まっているが、良いものがあればそれも買いたい、他にどんな本があるか確認したい...といった時だ。ECサイトでも「その本を買った人はこんな本も買っています」というレコメンド機能は付いている。さらに内容の確認も可能な場合もある。こうなると、ますますECサイトで事足りてしまうように思える。そして、実店舗の存在意義が危うくなる。

 「本屋」に足を運ぶ理由として、筆者自身が最も多いのは「暇つぶし」だ。しかし、買おうと思っていた本があっても、その日にどうしても読む必要のある本でなければ、後でスマホなどで注文して届くのを待つことも多い。また、より手軽な電子書籍をダウンロードする場合もある。瞬時にほしい本を読み始めることができるし、かさばることもない。こう考えると、ただ本が置いてあるだけの「本屋」では、人の出入りの多さが売上げにつながらない場合が増えているということだ。


これからの時代に求められる書店とは?具体例を元に三つの方策を提案
【続きを読む】(有料会員向け)


参照コンテンツ


業界の業績と戦略を比較分析する


おすすめ新着記事

お知らせ

2024.03.25

当社合田執筆の「猛スピードのクルマはいらない」 これからの高齢化社会に必要な“まちづくり”とは何か? そのヒントは欧米になかった!」がメルクマールに掲載されました。

新着記事

2024.07.26

消費者調査データ 炭酸飲料(2024年7月版)  首位「コカ・コーラ」、迫る「三ツ矢サイダー」、高い再購入意向の無糖炭酸水

2024.07.25

24年5月の「広告売上高」は、6ヶ月ぶりのプラス

2024.07.24

24年5月の「旅行業者取扱高」は19年比で72%に

2024.07.23

24年5月の「商業動態統計調査」は2ヶ月連続のプラス

2024.07.22

企業活動分析 キユーピー株式会社 23年11月期は海外など好調で増収も原材料高騰で2桁減益に

2024.07.22

企業活動分析 カゴメ株式会社 23年12月期は引き続き海外事業がけん引し増収増益に

2024.07.19

企業活動分析 ライオン株式会社(2023年12月期) 増収も土地譲渡益の反動等で減益に

2024.07.19

企業活動分析 ユニリーバ(Unilever)(2023年12月期) 減収減益、事業部門の業績格差受け、新成長戦略を修正へ

2024.07.19

24年6月の「景気の先行き判断」は3ヶ月連続で50ポイント割れに

2024.07.18

24年6月の「景気の現状判断」は4ヶ月連続で50ポイント割れに

2024.07.17

MNEXT 円安は歓迎すべきかー過熱する円安論争

2024.07.16

企業活動分析 山崎製パン株式会社 23年12月期は大幅な増収増益で過去最高益に

2024.07.12

消費者調査データ スポーツドリンク・熱中症対策飲料(2024年7月版) 首位「ポカリスエット」、追い上げる「アクエリアス」

2024.07.11

24年5月の「消費支出」はふたたびマイナスに

2024.07.10

24年5月の「家計収入」は20ヶ月ぶりのプラス

2024.07.09

24年4月の「現金給与総額」は28ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」はマイナス続く

2024.07.08

企業活動分析 大塚HD 23年12月期は売上は過去最高を記録、医療事業の減損損失で減益に

2024.07.08

企業活動分析 小林製薬の23年12月期は、R&Dや宣伝広告への積極投資を行い増収減益に

2024.07.05

成長市場を探せ 初の6,000億円超え、猛暑に伸びるアイスクリーム(2024年)

週間アクセスランキング

1位 2017.09.19

MNEXT 眼のつけどころ なぜ日本の若者はインスタに走り、世界の若者はタトゥーを入れるのか?

2位 2024.07.03

MNEXT コロナ禍の前中後の内食もどりはあったのか? -食欲望の現在-

3位 2024.03.13

戦略ケース なぜマクドナルドは値上げしても過去最高売上を更新できたのか

4位 2019.09.10

戦略ケース プラットフォームビジネスで急拡大するウーバーイーツ

5位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area