半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

公開日:1999年01月01日

ソニーマーケティング株式会社
新しい販社像への挑戦
戦略分析チーム

全文の閲覧には有料の会員登録が必要です。
登録済みの方はこちらからログインして全文をご利用ください。

真のマーケティングカンパニーをめざす

 97年4月、ソニーは、国内営業本部の民生用営業部門と販売チャネル別販社3社と商品別専門販社4社および管理業務会社の国内販売子会社8社を統合して、「ソニーマーケティング」を設立した。

 単なる販売会社ではなく、マーケティング機能全般をもっており、マーケティングとセールスとの一体化により、営業力の強化を積極的にはかることを狙いとして設立された。

 また、98年4月には、B&I営業本部(官公庁、企業向けビジネスを担当)、ブロードキャスト営業本部(放送局、プロダクション向けビジネス担当)のふたつの業務用機器営業部門を移管した。

 さらに、99年4月には、ソニープラザ等4社のマーケティング部門との連携強化が明確に打ち出され、国内マーケティングにおいて、ひとつのグループとしてマネジメントする企業となった。

 マーケティングとセールスの一体化によって、真のマーケティングカンパニーをめざすことが社内的な目標となっている。行動指針として、つぎの三つが提起されている。

  1. 付加価値創造
    カンパニー、商品カテゴリーを横断するシステムの提案など、マーケティングカンパニーにしたできない付加価値の創造により、ソニートータルでの価値を拡大していくこと
  2. マーケティング改革
    既存の考え方にとらわれず、激しい時代の変化に即応していくマーケティングの規範やトレンドを、ソニーマーケティングから発信していくこと
  3. 顧客優先主義
    商品からの発想だけではなく、顧客・市場を基点にしたマーケティングを展開していくこと

 以上を通じながら、マーケティングサイドからの市場創造の追求が組織の基本目標となっている。


図表1.ソニーマーケティングの変換
図表



多様な顧客ネットワークの形成

 ソニーマーケティングの組織図をみると、多様な顧客ネットワークを構築しようとしていることがうかがえる。ソニー本社のカンパニーを中心に、チャネルにあわせて、

  • インフォメーションテクノロジー
  • パーソナルAV
  • ホームAV
  • モービルエレクトロニクス
  • 通信機器
  • 情報システム
  • メディア・バッテリー
  • ネットワーク

の八つのマーケティング本部が、多様な商品を再編集し、コンスーマー部門、プロフェッショナル部門双方の多様なチャネル、ユーザーに対応できるような営業組織に編成されている。


ソニーマーケティング独自の付加価値創造

 行動規範の第一にあげられている付加価値創造、具体的には、カンパニーや商品カテゴリーを横断するシステムの提案であるが、いくつかが実行されている。

 ソニーマーケティングでは、AVとITを融合させた提案を重点にしており、MDオーディオとVAIO(パソコン)のリンクやVEGA(テレビ)とDVDを中心とするデジタルシアターのシステム訴求が典型例である。

 また、ウォークマン、ペンダント式ラジオ、液晶テレビなどカテゴリーを横断する商品ラインナップを、ティーンエージャーのファッションセンスあふれるコンセプトでくくった「PUNKII(パンツー)プロジェクト」がある。これは、ソニープラザなど雑貨店を中心に展開したプロダクトプランニングの典型例である。

 こうした成果を受けてこの4月に新説されたのが、クリエイティブマーケティングセンターである。今後も、こうしたチャネル特性にあわせたマーケティング展開、プロダクト横断型のシステム提案、生活提案がすすめられていくと考えられる。


続きを読む
「プラットフォームカンパニーへの布石」

続きを読むには有料の会員登録が必要です。


エレクトロニクス業界の戦略を読む


業界の業績と戦略を比較分析する


おすすめ新着記事



J-marketingをもっと活用するために
無料で読める豊富なコンテンツプレミアム会員サービス戦略ケースの教科書Online


新着記事

2023.12.01

MNEXT 大転換期の価値マーケティング(2023年)

2023.12.01

消費者調査データ No.397 シャンプー(2023年12月版) 「パンテーン」と「ラックス」、僅差の競り合い

2023.11.30

月例消費レポート 2023年11月号 消費は足踏み状態が長引きつつある-年末・年始の活況を契機としたマインド改善が消費復調への足がかりに

2023.11.30

23年10月の「ファーストフード売上高」は32ヶ月連続のプラスに

2023.11.30

23年10月の「ファミリーレストラン売上高」は20ヶ月連続プラス

2023.11.29

企業活動分析 日産自動車株式会社 23年3月期決算は円安追い風で増収増益に

2023.11.28

消費からみた景気指標 23年9月は9項目がプラスに

2023.11.27

23年10月の「全国百貨店売上高」は20ヶ月連続のプラス、インバウンドや高額商品好調

2023.11.27

23年10月の「チェーンストア売上高」は既存店で8ヶ月連続のプラス、食料品が好調

2023.11.27

23年10月の「コンビニエンスストア売上高」は20ヶ月連続のプラス、好天や行楽需要で食品好調

週間アクセスランキング

1位 2023.11.15

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 食卓に浸透する市販の惣菜 4割弱が週1回以上惣菜を購入

2位 2022.03.11

女性が生み出す6.9兆円の市場―アフタヌーンティーは都心高級ホテルを救えるのか 第1回

3位 2008.07.24

戦略ケース カルフールは何故失敗したのか?

4位 2016.03.16

【マーケティングFAQ】どうすればブランド力を強化できるか

5位 2019.09.10

戦略ケース プラットフォームビジネスで急拡大するウーバーイーツ

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area