ダイエーの2010年2月期の連結決算は、売上高は9,768億円(前期比6.2%減)、47億円の経常損失(同73億円減益)と苦戦した。売上高が1兆円を割ったのは、32年ぶり。SMでは客数は前年並みを保ったものの、客単価が減少、衣料品専門店や百貨店は売上が伸びなかった。また、不動産事業でもテナント売上の下落、不採算店舗の閉鎖などの影響から、業績は振るわなかった。2007年からの中期計画最終年度であったが、目標はいずれも未達に終わった。2009年12月から、小売事業に関しては、下落傾向に歯止めがかかりつつあるとしているが、個人消費低迷という環境下にあり予断は許さない。新たに策定された新中期計画では、2012年度の連結営業利益率を1.2%以上とするという目標を掲げ、既存事業の損益分岐点引き下げ、既存資産活性化とグループ事業再編、成長事業と人材の育成を基本戦略とする。最寄り品を主体のコモディティ事業とシーズナブル商品主体スペシャリティ事業を軸に、DS(ビッグ・エー)、SM(グルメシティ)、SSM(ダイエー)、SSM+MD(ダイエー)、大型店(ダイエー)の5業態を展開する計画である。事業の構造改革を速やかに完了させ、再び拡大するための事業基盤をいかに確立できるか。新たな3ヵ年の取り組みが注目される。
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