
トクホとは、特定保健用食品の通称です。特保とも表現されますが、カタカナの方がポピュラーです。実験データに基づいて審査を受け、消費者庁長官の許可を得て保健の効果を表示することができる食品のことを指します。
その歴史は意外に古く、1991年に導入された制度ですが、第1号商品は1993年まで待たねばなりません。第1号商品は資生堂の低アレルゲン米「ファインライス」で1992年10月に申請し、1993年5月に取得されています。
トクホ市場の認知拡大ということでは良くも悪くも花王の存在を抜きにはできません。1999年に発売された「健康エコナクッキングオイル」は食用油として初めてトクホの許可を受けました。その後エコナシリーズは拡大し、マヨネーズやドレッシングへと品揃えが拡充されます。しかし、2009年に発がん可能性成分を指摘され、安全性の問題から、関連製品の販売を中止・自主回収し、許可の失効届けを提出しています。また、2003年に発売された「ヘルシア」ブランドは緑茶から始まり、2013年には初の缶コーヒーまで登場しています。
2013年末の段階では1,020品目あり、総取得数が最も多い企業は東洋新薬で、その数は235にも及びます。2位はヤクルト本社で51、花王は29で7位ですからその圧倒的な多さがうかがえます。これまで多くのヒット商品が生まれている一方で、その市場規模は頭打ちになっており、その制度の在り方も岐路を迎えていると言えます。
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