ゲーミフィケーション(Gamification)とは、ゲームの考え方やデザイン・メカニクスなどの要素を、ゲーム以外の社会的な活動やサービスに利用することと定義されています。「日常生活の様々な要素をゲームの形にする」という意味の単語「ゲーム化(Gamify)」から派生しています。2010年ごろから使われ始めたようですが、「スマホ元年」とされる2011年から急速に浸透していきました。スマートフォンの普及が拡大し、さらにSNSが日常的なメディアになることで、成立したと言えるでしょう。
ユーザーが日常的に利用する、つまり継続利用を促すための手段と言い換えてもよいと思います。結果として、ユーザーが楽しんでもらうことでより好意が高まっていく状態を作り出すことです。わかりやすい説明として、ゲーミフィケーションを採用しているWeb上のサービスには、以下の三つくらいの要素が存在することが多いとされています。
- 課題(クエスト、ミッション、ランキング、難易度設定など)
- 報酬(バッジ、経験値、レベルアップ、クーポン、ポイントなど)
- 交流(チャット、対戦、アバター、ソーシャル、アンケート、GMなど)
「1.課題」というよりは、ゲームやネットの世界では「クエスト」や「ミッション」という方が通りがよいでしょう。つまり与えられた「課題」をクリアすることでユーザーは達成感を得て、また次のステージに進もうとします。またランキングが上昇したり、ステージをクリアすることも同じです。簡単すぎても、難しすぎてだめで、加減の設定が問われます。
「2.報酬」は、クリアすることで得られる「対価」です。多くはネット上ですからリアルな物的なものではないでしょうが、例えばそこでしか使えないポイントであったり経験値の積み重ねとレベルアップというようなことです。これもまた、ユーザーに対して適度に満足感を与えるような「対価」になっている必要があります。
「3.交流」とはユーザー間もそうですし、開発者などサービスの提供者との交流も含まれます。単純に他者とつながっている感を求める人もいるでしょうし、ゲームなどで対戦したり、協力したりということを通じて、互いの関係を適度に深めていきます。
日本では様々なWebサービスが登場していますが、米国で生まれた「foursquare」などは浸透度が高いものだと思われます。位置情報に基づくSNSで、GPS機能を持った携帯電話やスマートフォン用のウェブサイトとモバイルアプリケーションです。
いずれにせよ、ゲームの社会的活用そのものは新しい現象ではないことは周知のとおりですが、機器の進化やライフスタイルの変化などで、周期的に盛り上がる現象と言うことで注目されます。
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