
LCCとは、(Low-Cost Carrier)の略で、効率的な運営により、低価格の運賃で簡素化された航空輸送サービスを提供する「格安航空会社」のことです。
低価格を実現するビジネスモデルとしては、運航機種をより集約したり、大都市周辺の地方の中小空港に乗り入れるなど「運航コストの低減」が代表的です。他には、運航乗務員を中途採用するなど「人件費の削減」、機内食や飲料を有料販売するなど「機内サービスの簡略化」、インターネットやE-チケットによる直接予約での「航空券販売コストの低減」などがあげられます。
日本では、1998年に「スカイマーク(当時社名:スカイマークエアラインズ)」、「AIRDO(エアドゥ・当時社名:北海道国際航空)」など低運賃の新規航空会社の参入がありましたが、当時はLCCを名乗ってはいませんでした。2000年代後半からセブ・パシフィック航空(フィリピン)、ジンエアー(韓国)、春秋航空(中国)など外資系LCCの国際線参入がありましたが、LCCという言葉はほとんど認識されていませんでした。
「日本のLCC元年」は「Peach Aviation」「ジェットスター・ジャパン」「エアアジア・ジャパン」の3社が新規参入した2012年といえるでしょう。日経トレンディ誌が2012年ヒット商品で3位にあげるなど、メディアへの露出の影響もありますが、一気にその認知が広まったことは記憶に新しいところです。
拡大しているLCCですが、その一方で資本力のある既存の大手航空会社との競争、また同じLCC競合とのし烈な低価格競争に陥り、欧米では事業停止や経営破綻に追い込まれる企業も出ています。日本でもジェットスターはJAL、Peach AviationはANAの資本が入っているように、親会社との顧客の奪い合いも想定されます。需要が飛躍的に伸びない限り、早々に再編と淘汰の段階に入ることが確実視されています。
LCCで着目すべきは、生活への波及効果です。旅行や帰省など長距離移動への影響が考えられます。定着すればより長距離移動が増えるという半面、新幹線など他の交通路線との競合も懸念されます。いずれにせよ、黎明期の日本のLCCが今後どのように浸透していくか注目されます。
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