
ユニバーサルデザインとは、都市空間・施設、製品、サービスなどあらゆる領域を対象とし、障害の有無、年齢、性別、国籍、人種等にかかわらず、誰にとっても使いやすく魅力的であるようにデザインすることです。
「バリアフリー」や「ノーマライゼーション」が障害、怪我、高齢者などを念頭に考えられているのに対し、それらに替わる概念として1980年代に誕生しました。先進諸国が本格的な少子高齢社会に突入したことを背景に、近年とくに重要性が高まっており、多くの企業や自治体が取り組んでいます。
ユニバーサルデザインの基本的な考え方として、「ユニバーサルデザインの父」と呼ばれるロナルド・メイス博士を中心にまとめられた7原則を紹介します。
- 操作の公平性 :すべての人が公平に操作できること。
- 利用における自由度:使用するときの自由度、たとえば右利きの人でも左利きの人でも同じように使えること。
- 利用のかんたんさ:使い方が簡単、わかりやすいこと。
- わかりやすい情報:知りたいことがわかりやすく、ていねいに説明されていること。
- 安心、安全:使用時に安心、安全であること。間違った使用をしても危険につながりにくいこと。
- 少ない負担感:体への負担感が少ない、長時間使っても疲れにくいこと。
- 十分なサイズと空間:誰もが楽に使えるだけの大きさ、広さがあること。
テレホンカードの切り込み(電話機への挿入方向が確認できる)やシャンプー容器のギザギザ(シャンプーとリンスを区別できる)に代表されるように、ユニバーサルデザインの思想はすでに日常生活に浸透しています。
ブランドデザインに取り入れられた最近の例として、2007年発売のセブン&アイのプライベートブランド「セブンプレミアム」があります。製品コンセプトである「七つのプレミアム」のひとつとして「ユニバーサルデザイン」を取り入れ、多くの消費者に正確な商品情報を伝えるためのパッケージデザインや表示を行っていこうとしています。
企業にとって、「ユニバーサルデザイン」の考え方を採用することは、「使う人たちの身になってモノをつくる、考える」ということになります。
マーケティングにとってユニバーサルデザインは、より多くの消費者に魅力的な商品、流通、チャネルを追及することと言えます。
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