パブリック・リレーションズ(PR活動)とは、企業や組織体が、メディアや一般大衆、関係諸機関などの利害関係集団と、良好な関係を築くために行う活動のことをいいます。この活動を担うPR部門は、企業の良いイメージを作るために情報を流したりコミュニケーションを行ったりするだけでなく、自社にとってマイナスになるような出来事が公表されれば火消し役の役割も果たします。
英・米などの欧米諸国では、企業だけでなく政府や地方自治体、教育機関、国連や世界銀行等の国際機関などでも、パブリック・リレーションズが実践されています。
コトラーによれば、パブリック・リレーションズの機能は、以下の五つに分類されます。
- 報道対策:
企業を良く見せる形でニュースや情報を公表すること
- 製品パブリシティ:
特定製品・サービスのパブリシティを支援すること
- コーポレート・コミュニケーション:
企業内・外のコミュニケーションを通じて、企業への理解を促進すること - ロビー活動:
法規制への影響をねらって議員や官僚との関係を確立し維持すること - コンサルティング:
社会問題や企業のポジションおよびイメージに関して、経営陣にアドバイスすること。製品事故に際してのアドバイスも含まれる
近年、マス広告の効果の弱まりを背景に、企業の多くがPR活動をマーケティング活動と連動させるようになってきました。企業や製品のプロモーション等を支援するPR活動を、マーケティング・パブリック・リレーションズ(MPR)と呼びます。MPRはかつてはパブリシティと呼ばれており、広告より低コストで効果をあげられる場合が多く、広告よりも信頼性が高いのが利点です。
例えば、マイクロソフト社はウィンドウズ95発売キャンペーンの際、有料広告を一切出さなかったにも関わらず、注目を浴びるようなパブリシティを展開した結果、新聞・雑誌等で多くの記事が同製品をとりあげ、一般大衆に広く発売日を認知させることに成功しました。
こうしたPR活動は、企業や組織から一般社会への「一方向的」なコミュニケーションというよりは、企業が情報を発信することによって、一般社会の理解や合意を得たり、協力関係を築いたりといった「双方向」のコミュニケーションが目的だというという見方もあります。そのためには、発信した情報へのフィードバックを通じて世論の動向を理解し、より公共の利益に資する企業活動へ還元させていくことが企業や組織には求められています。
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