サイゼリヤの2020年8月期の連結決算は、連結売上高1,268億円(前年比19.0%減)、営業損失38億円(前期は96億円の営業利益)と減収減益となった。地域別では、国内は緊急事態宣言を受けての約300店での臨時休業及び営業時間短縮、席数減少の影響などにより、売上高は953億円(同19.9%減)、営業損失は56億円(前期は51億円の営業利益)となった。豪州は売上高40億円(同7.5%減)、営業利益は2千万円(同74.1%減)、アジアは上海、広州、北京で大半の店が一時休業したことなどにより売上高は314億円(同16.0%減)、営業利益18億円(同59.9%減)となった。2020年度は、2019年10月の消費税増税後もほぼ全てのメニューで税込み価格を据え置き、店舗改装も積極的に推進。新型コロナ感染症に伴う新しい生活様式への対応として、税込み価格の末尾を00円か50円に統一することで硬貨の接触機会削減にも取り組んだ。2021年8月期もコロナ禍の行動変容をチャンスと捉え、ハード・ソフト両面での革新を進める方針で、国内レストラン事業では徹底的なムダの削減、海外事業では変化に迅速に対応できる組織作りなどに取り組みつつ、テイクアウトやデリバリーなどの新たな販売チャネルの展開を推進、アフターコロナのビジネスモデル作りに取り組む。業績予想は売上高1,350億円、営業損失10億円を見込む。
参照コンテンツ
- 戦略ケース ロカボブームでも「超特盛」で復活の吉野家 「牛肉・牛丼」を基軸としたメニュー展開で短期での業績回復に成功(2019年)
- 戦略ケース 風雲急を告げる外食業界-元気寿司、リンガーハット 他(2014年)
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事

5G(第5世代移動通信システム)
5Gとは「第5世代移動通信システム(5th Generation)」のことで、通信規格の名称。現在の「4G」に続く最新の規格で、日本では2020年3月から商用化が開始された。4K/8Kの高精細映像などの大容量コンテンツの伝送や、自動運転や遠隔ロボットへの活用、IoTの普及などが期待されている。

テイクアウト、デリバリーで伸びる洋風ファーストフード
コロナ禍で外食全体が苦戦するなか、ハンバーガーチェーンなどの洋風ファーストフード業態は、コロナ前の2019年と比較しても116.2%と伸長している。原動力となったのは、感染症対策がしやすく、テレワークなど働き方・ライフスタイルの変化に伴うテイクアウトやデリバリーの拡大だ。原材料の値上がりや、健康意識、環境配慮意識の高まりなどの不安要素はあるものの、今後も成長が期待される業態だ。

広まるネットショッピング 特定層に留まるSNS購買とフリマアプリ
コロナ禍でオンラインショッピングの利用が増えている。利用チャネルもアマゾンや楽天だけにとどまらず、多様な買い方がされている。今回は、その中でもSNSを通じた購買やフリマアプリの利用に焦点を当て、今後の利用拡大の可能性を探ってみた。



