スギホールディングスの2020年2月期の連結決算は、売上高5,420億円(前年同期比11.0%増)、営業利益298億円(同15.3%増)と増収増益となった。ドラッグストア業界を取り巻く経営環境については、新型コロナウイルス感染症の拡大による一部商品の需要増加が見られたものの、消費税増税後の消費マインドの低下や度重なる台風等の自然災害、競合他社との出店競争や業界の垣根を越えた販売競争の激化、人手不足による人件費及び物流費の高騰等、経営環境の厳しさは継続した。 このような環境の中、超高齢社会に対応した事業領域の拡充を図るべく、お客様の健康維持・予防から介護・終末期のケアまでを一貫してサポートする「トータルヘルスケア戦略」に即した取り組みを推進するとともに、積極的な出店による地域シェアの拡大及び外需の取込みにも努めた。 具体的には、医療機関との関係強化及び医療機関併設店舗の拡充、カウンセリングを中心とした接客販売体制の強化、付加価値型プライベートブランド商品の開発・販売、デジタルを活用したサービス(スギサポ等)の開発及び特定保健指導の提供体制拡充によるセルフケアの推進等に取り組み、関東・中部・関西・北陸エリアへの出店を強化。116店舗の新規出店、51店舗の改装、20店舗の閉店を実施した。2021年2月期については、医療衛生用品等を中心とした需要の高まりで来店客数増加につながっている一方で、医療機関の受診者数減少に伴う来店数の減少や、インバウンド需要の急減などが生じており、増収増益予想ではあるが予断を許さない状況が続きそうだ。
参照コンテンツ
- 戦略ケース 大衆薬のネット販売本格化で始まるメーカー・小売の業界再編(2013年)
- 戦略ケース 改正薬事法で変わるドラッグストアの競争軸(2008年)
- 戦略ケース どうなるドラッグストア ドラッグストア第2段階へ、規模拡大化と高付加価値化へ分化(2005年)
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