ブラザー工業の2018年3月期の連結決算は、国際会計基準で売上収益7,130億円(前年同期比11.2%増)、営業利益687億円(同16.0%増)となり、増収増益であった。円安による為替のプラス影響、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業がグローバルで堅調に推移したことに加え、収益力強化の戦略に基づいて積極的な改革を行ったマシナリー事業産業機器分野の大幅な収益増などが増収増益を後押しした。また、16年度より本格的に開始したドミノ事業では、為替市場でのポンドの急落など、外部環境が激しい変化を見せる中で、ブラザーとのシナジー効果の実現のために共同開発を推進した。売上高の約3分の2を占めるプリンティング事業は長い目でみると縮小傾向にあり、今後はプリンティング事業中心の体制から、今後の成長が見込まれる産業用領域(マシナリー事業やドミノ事業)や新規事業に重点を置き、複合事業企業を目指す。中期戦略「CS B2018」での業績目標を達成するためには、いかに早くドミノ事業との相乗効果を実現できるか、そして現在の事業の構造改革をいかに推し進めることができるかが重要となる。
参照コンテンツ
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 成長するコーヒー市場 6つの形態が店頭に共存するワケとは?
コーヒーの国内消費量は、2022年に4年ぶりの増加に転じた。最近では大手コンビニエンスストアがコーヒーのサブスクサービスを実験的に導入する動きがみられる。今回はコンビニを中心にコーヒーがどのように買われているのか調査をおこなった。

消費者調査データ No.397 シャンプー(2023年12月版) 「パンテーン」と「ラックス」、僅差の競り合い
コロナ禍によるインバウンド需要喪失からゆっくり立ち直りつつあるシャンプー市場。調査結果は「パンテーン」が複数項目で首位を獲得したが、2位の「ラックス」との差はごくわずかで競り合いが続いている。国内メーカーでは、独立系の専業メーカーが独自のコンセプトで高いリピート意向を獲得している。

成長市場を探せ 「巣ごもり」後も割安感で堅調な家庭用冷凍食品(2023年)
2022年の家庭用冷凍食品の生産量は、前年比100.8%となる80万5,000トンで、8年連続拡大、過去最高を更新。22年からの食品全般の値上げのなかで、簡便化志向や節約志向から利用が継続されているとみられている。



