Dellの2009年度の売上高は、52,902百万ドル(前年比86.6%)、営業利益2,172百万ドル(同68.1%)で、前期は減益を1期で回復させたが、今期は減収減益へと落ち込んだ。セグメント別にみると、ハードの販売が軒並み振るわず、特にデスクトップは前年比74.6%と大きく売上を落とし、前年比で成長したのはサービス部門(同105.0%)のみとなっている。シェアアップしている地域も見られず、世界シェアは13.0%とダウンし、2位の座をエイサーに明け渡した。製品別でも、デスクトップ、ノートともにシェアは微減傾向が続いている。顧客満足度ではAppleに首位を奪われて以降、2位に甘んじている。
クラウド・コンピューティングの時代を迎え、デルの利益は、これまで主力だったパソコンではなく、サーバーストレージ、サービスなど非パソコン分野から生まれるようになっている。製品戦略「E3(Efficient Enterprise Ecosystem)」を発表し、顧客がITに接する各場面に応じて、コンサルティング、購買、導入、運用管理、サービスにおけるソリューションを、世界規模で提供する企業へと業容を拡大させ、苦況からの脱却を図ろうとしている。
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