JMR消費INDEXは、2018年1月時点まで、上昇傾向を保っている(図表1)。INDEXを構成する個々の変数の動きをみると、支出水準関連指標では、2018年2月に消費支出と平均消費性向の2項目が再び悪化に転じた。預貯金の伸びもプラスが続いており、消費にはマイナスに寄与している。販売関連指標では、2018年1月時点で、全10項目中、改善が5項目に対し悪化が5項目となり、改善の側と悪化の側とが拮抗していた。2018年2月時点では、判明している9項目中、改善が4項目に対し悪化が5項目となっており、わずかながらも悪化の側が優勢となっている。2018年3月時点では、判明している8項目中、改善が5項目に対し悪化が3項目となっており、改善の側が優勢となっている。支出水準関連指標は再び悪化の方向に転じているのに対し、販売関連指標では、悪化の動きが優勢の場合と改善の動きが優勢の場合とに時折揺れ動きつつも、悪化と改善双方の動きが拮抗している。2018年1月と同様、2018年2月においても、両指標間で方向感が定まらない状況に変わりはない(図表2)。
公表された2018年2月以降の各種経済指標から、消費を取り巻く状況を整理すると、消費支出は2018年2月現在、勤労者世帯で名目と実質ともに伸びはマイナスに転じている。二人以上世帯では、名目と実質の双方で伸びはプラスを保ってはいるが、伸び率の値は前月に比べ低下している。二人以上世帯をベースに、10大費目別にみると、名目では前月1月と同様、プラスの費目数がマイナスの費目数を大きく上回っており、実質では、プラスの費目数とマイナスの費目数とが等しくなっている。双方を勘案すると、10大費目別では引き続き、改善の側が優勢の傾向は保たれている(図表5、図表6)。消費者物価指数は2018年2月に、総合とサービスの指数の伸び率の値は前月1月よりも更に上昇するとともに、財の伸び率の値も前月並みで推移している。2018年2月時点でも、緩やかながらも物価上昇の動きは続いている(図表7)。販売現場での動きをみると、2018年2月現在、商業販売や外食などの日常生活財では、一部の業態を除き、伸びは引き続きプラスを保っている(図表11、図表15)。耐久財のうち、新設住宅着工戸数では、全体ではマイナス続いており、カテゴリー別でみても、一部を除き、伸びはマイナスとなっている。新車販売では、乗用車(普通+小型)で伸びはマイナスが続いており、軽乗用車でも伸びがマイナスに転じている。家電製品出荷では、白物家電で伸びはプラスが続いている一方、黒物家電で伸びはマイナスに転じている。耐久財では、カテゴリー間で好不調の格差を抱えながら、マイナスの動きが徐々に増えてきている(図表12、図表1、図表14)。雇用環境では、2018年2月に、完全失業率は上昇に転じるとともに、有効求人倍率も低下に転じている。息長く続いてきた雇用環境改善の動きにも、一旦ブレーキがかかった格好だ(図表8)。他方で、収入環境については、現金給与総額、所定内給与、超過給与額の全てで、2017年8月以降はほぼプラスを保ち続けている(図表9)。消費マインドに関しても、2018年3月現在、景気ウォッチャー現状判断DIと消費者態度指数の双方で、再び改善の動きに転じている(図表10)。
経済全般の状況に着目すると、輸出はプラスを維持しているものの、その勢いは鈍化傾向にある。生産は反転上昇の動きを見せているが、2018年1月の大幅な落ち込みを取り戻すには至っていない(図表16、図表18)。マーケットの動向をみると、1月下旬から3月下旬にかけて、相場は円高・株安傾向で推移しており、特に2月以降は、株価は乱高下を続けた。3月下旬に相場は円安・株高に転じており、その後は4月下旬現在に至るまで、円安・株高傾向で推移している(図表21)。長期金利は、2月に入ってから3月下旬にかけて、緩やかな低下傾向で推移してきたが、3月下旬における円安・株高への反転と軌を一にして、その後は4月下旬現在に至るまで、緩やかな上昇傾向を保っている(図表22)。
総合すると、消費は、強弱双方の材料が交錯する中で、一旦足踏み状態となっている。日常生活財は引き続き好調さを保っている反面、耐久財の低迷が消費の足を引っ張っている。消費を取り巻く諸条件でも、強弱双方の材料が交錯しており、今後の消費の見通しを定めにくい状況となっている。消費マインドが改善へと反転していることや、マーケットが円安・株高へと反転していることは、今後の景気や消費にとって前向きな動きと評価できる。この先、海外発の政治的・経済的なアクシデントを契機に日本の景気が変調に見舞われるようなことがない限りは、消費は早晩、再び堅調な推移を取り戻すと目される。
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