名実ともに梅雨の時期を迎える中で、足許の景気は天気同様、すっきりしない状況が続く。逐次公表されていく経済諸指標では、好悪双方の材料が交錯しており、景気の方向感は見極めにくくなっている。
2017年6月8日に内閣府より公表された、2017年1‐3月期四半期GDP速報(二次速報)によると、GDP成長率は実質 0.3%(一次速報値:0.5%)、名目‐0.3%(一次速報値:‐0.0%)となり、ともに一次速報値から下方改定された。需要項目別にみると、民間最終消費支出は実質+ 0.3%となり、一次速報値(+0.4%)から下方改定された。民間住宅投資は、一次速報値の実質+0.7%から、二次速報値では+0.3%へと下方改定された。政府最終消費支出も、一次速報値の実質+0.1%から、二次速報値では-0.0%へと下方改定されている。他方、民間企業設備投資は実質+0.6%となり、一次速報値(+0.2%)から上方改定された。民間在庫変動GDP寄与度は、一次速報値の実質+0.1%から二次速報値では-0.1%へと下方改定されてはいるが、在庫調整の進展を示唆する動きとして、今後の景気にとっては前向きな材料と評価できるだろう。GDPの動向をみても、好悪両材料の交錯ぶりがうかがい知れる。
2017年6月9日に日本経済団体連合会より公表された、「2017年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況(第1回集計)」によると、数値が明らかとなっている82社における、夏季賞与・一時金の妥結額の平均は91万7,906円、昨年夏比で-4.5%の減少となっている。夏季ボーナスの伸びが前年比マイナスとなったのは2012年5年ぶりのこととなり、それまでプラスの伸びが続いてきたボーナスの動きにも若干陰りがみえつつある。
2017年5月24日に内閣府より公表された、2017年5月の月例経済報告によると、景気の基調判断は、現状並びに先行きともに、前月4月に引き続き据え置きとなっている。主要な項目においても、前月4月から今月5月にかけて、判断の上方修正ないし下方修正がなされたものは、ひとつもない。海外経済については、韓国とインドネシアで上方修正がなされる一方、英国では下方修正がなされるなど、景況判断の修正が一部の国でみられはしたが、海外経済全般については判断が据え置かれている。
日銀は、前回の2017年4月26日~27日に開かれた金融政策決定会合において、景気の現状並びに先行きに対する判断は上方修正されている。ただ、マーケット関係者の間では目下、6月15日~16日に予定されている次回の会合に関する事柄は、特段材料視されていないようである。
足許で、政府並びに日銀の景況判断に大きな変更は認められず、景気の現状並びに先行きに対する楽観的姿勢も相変わらず保たれている。それが、景気の足取りに対する自信の表れとみるべきなのか、あるいは、材料不足ゆえの待ちの姿勢とみるべきなのか、現状では判断しがたいところだ。
参照コンテンツ
おすすめ新着記事

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 20代男性の半数が有料フィットネスを利用! 心理的充足が継続・満足の鍵
24時間営業のジムなど様々なタイプの有料フィットネスサービスが登場している。どういった人が利用しているのか、その目的は何か、満足度は、などその実態を調査した。

成長市場を探せ 多様化進み4年連続過去最高の茶飲料(2026年)
4年連続で過去最高を更新した茶飲料。健康志向の高まりで、ノンカフェインの麦茶やルイボスティーなどが伸びる一方、緑茶は抹茶人気による茶葉高騰で危機が忍び寄る。

成長市場を探せ 話題性が需要を加速する炭酸飲料市場(2026年)
炭酸飲料が伸びている。5年連続プラスで、過去最高も4年連続の更新だ。メガトレンドの健康志向に沿う新商品も好調だが、それと逆の「背徳感」を売りにした「ギルティ炭酸 NOPE」も記録的な初動に。話題性が市場全体を底上げしている。


![戦略家のための知的羅針盤[エム・ネクスト]product by 松田 久一](/img/mnext-sub-title.png)