「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る」の例えにあるように、2017年の2月も残りわずかとなっている。1月20日の新政権誕生当初から、米国トランプ政権は、自らが招いた災厄により苦難な船出となった。政権発足以来1か月以上が過ぎてはいるが、議会による政権閣僚候補の承認手続きは予想以上に遅れ、その間に一部スタッフは自らの不祥事によって早期辞任に追い込まれてしまい、トランプ政権の陣容は未だ固まってはいない。政権による経済政策の目玉となるはずの、大幅減税や大規模公共事業の実施に向けた法案の準備が、政権内部でどの程度まで進められているのかも、現状では曖昧なままだ。内政を巡る混乱にとどまらず、経済政策の立案と運営においても支障をきたすこととなれば、新政権の政策遂行能力に対する疑念すら出てきかねない。
内憂外患に揺れるトランプ政権とは対照的に、安倍政権は今のところ、喫緊の政治的並びに経済的課題に追われずに済んでいる。2017年2月10日~12日にかけて、安倍首相は、米トランプ大統領との会談をはじめとする米国での一連の外交日程を無事こなしたことで、当座は、通商政策にまつわる火の粉を振り払うことに成功したようだ。だが、トランプ大統領の有力な支持基盤のひとつともなっている、米国内の農畜産物関連の業界団体は、更なる関税の引き下げなど、日本への市場開放圧力を強めつつある。今後、ペンス副大統領と麻生副総理を筆頭に進められていく「経済対話」の枠組みの中で、貿易やビジネスをめぐる日米間での利害対立にどう折り合いをつけていけるかが、日米双方の指導者達の腕の見せ所となってくるだろう。
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