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(2016.12)
月例消費レポート 2016年12月号
消費には若干明るさが見え始めている
-内外情勢の変化を景気回復への足がかりとしていくチャンスが到来
主任研究員 菅野 守



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1.はじめに

 今年も既に残り10日を切った。消費税増税を二年以上も先送りにしたことで、景気へのダウンサイド・リスクは一旦取り払われた。このまま行けば2016年は、内外経済ともに大規模な不況に見舞われることなく年を越せるだろう。だが、現時点で、景気の足取りはなお重く、本格回復への展望はまだ見えてこない。

 2016年12月8日公表の四半期GDP速報(2次速報値)によると、2016年7-9月期の実質GDP成長率は前期比+0.3%(年率換算で+1.3%)となり、1次速報値よりも下方修正されている。需要項目別に寄与度をみると、民間最終消費支出の寄与度は前期比+0.2%(年率換算で+0.7%)となり、1次速報値よりも上方修正された。輸出の寄与度は前期比+0.3%(年率換算で+1.1%)となっており、1次速報値と変わりはない。民間住宅投資の寄与度も、1次速報値と同様、前期比+0.1%(年率換算で+0.3%)となっている。他方、民間在庫変動の寄与率は前期比-0.3%(年率換算で-1.1%)となっており、1次速報値よりも大きく下方修正された。民間企業設備投資の寄与度は前期比-0.1%(年率換算で-0.2%)となっており、1次速報値よりも下方修正されている。GDPの需要項目別の動きをみると、外需では輸出の好調ぶりが目立っているが、内需では、好調な項目と不調な項目とが打ち消し合い、内需全体での寄与率はほぼゼロとなるなど、伸び悩みが際立っている。

 現状では、企業による在庫調整の進展と設備投資の低迷が、景気の足を引っ張ってはいるものの、企業のマインドは決して悪い訳ではない。2016年12月14日公表の第171回日銀短観(2016年12月)によると、業況判断DIは、全産業・全規模合計で改善した。産業別・規模別(計6区分)にみても、大企業の非製造業を除く5区分では業況判断DIは改善しており、大企業の非製造業でも横ばいとなっている。他方、ソフトウェアを含む設備投資額(除く土地投資額)の、2016年度計画値の伸び率は、前回2016年9月調査時点よりも低下している。産業別・規模別(計6区分)にみても、前回2016年9月調査時点よりも、伸び率の低下している層の方が明らかに多い。日銀短観の結果からは、企業のマインドは改善傾向にあるとみてよい。ただし、設備投資へのスタンスは企業の間でむしろ慎重化しており、設備投資回復の展望はまだ先とみておく方が妥当であろう。

 政府並びに日銀の景況判断をみると、基本的に、「景気は、基調としては緩やかな回復を続けている」とともに「先行きとしては、緩やかな拡大に転じていく」との見方を、両者とも堅持している。分野別の動向を前月11月と今月12月とで比較すると、日銀の場合、12月には、上方修正を示唆する文言の修正が目立っている。日銀では、景気の現状認識と今後の見通しに関して、より強気なスタンスへの変更がうかがわれる。他方、政府に関して、現時点で公表されている2016年10月と11月の月例経済報告の内容を比較すると、10月までには盛り込まれていた「アジア新興国景気のダウンサイド・リスク」への警戒姿勢は、11月にはほぼ除去されている。政府の判断も、より楽観的なスタンスへとシフトしつつあることから、今後公表が予定されている2016年12月分の月例経済報告でも、上方修正を示唆するような動きが期待されるところだ。


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